第四百九十二話 地獄の訓練その六
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「昼休みの時と六時になったら訓練に戻る」
「本当に働いてるな」
「折角ここまででかくした会社を潰させるか」
ユルセンにこう返す。
「だからだ」
「こんな状況でも仕事はするんだな」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「もっと大きくするぞ」
「ある意味凄いな、おっさんとは大違いだ」
「おっさんは今も寝てるか」
「ああ、朝起きて飯食ってな」
そうしてというのだ。
「まただ」
「高いびきをかいて寝ているか」
「そうなんだよ」
「ある意味凄いね」
二ノ宮と共に仕事をしているワニベも思うことだった。
「本当に仕事しない人なんだね」
「ああ、そうだよ」
「仕事をしないと」
迷宮蟻女王も言ってきた。
「会社は成り立たないですが」
「だからおっさんは言った通りだよ」
「そうした方なので」
「だからな」
「むしろですね」
「寝てくれていた方がな」
「いいのですね」
「そうなんだよ」
こうユルセンに話した。
「実際にな」
「だからどなたも言われずに」
「寝てもらってるんだよ」
「そういうことですね」
「それとですが」
ユルセンと共にいる御成が言ってきた。
「食料や飲料、医療品がです」
「届いたな」
「もう届くとは思いませんでしたぞ」
訓練がはじまって二日目でというのだ。
「拙僧は」
「さもないと困るだろ」
「はい、確かに」
御成は二ノ宮にその通りだと答えた。
「拙僧達はいいのですが」
「あいつがな」
「リム殿ですな」
「あいつは食わないとな」
それも大量にだ。
「やっていけないからな」
「だからですな」
「そのことからだ」
「もう用意していますな」
「リムが腹が減ると最悪だ」
二ノ宮はこのことも話した。
「昔は俺でもだ」
「食べようとしたのですな」
「実際に噛まれたこともある」
このことも話した。
「食料とみなされていたからな」
「今はそれはないんですが」
ワニベも言ってきた。
「昔はです」
「食料でしたな」
「はい」
まさにというのだ。
「僕も最初はです」
「食料でしたか」
「実際に食べられかけました」
この話をするのだった。
「危ないところでした」
「それは凄いわね」
アカリもその話を聞いて述べた。
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