暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
トライアングル
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いて一塁へーーー

「「「「「あ!!」」」」」

ジャンピングスローに入ろうとした桜井さんでしたが慌ててそれを止める。なぜなら一塁ベースに誰も入っていなかったから。

「トライアングルか」
「これなら打たなくてもヒットにできるね」
「トライアングル?」

聞いたことない単語に首をかしげると莉子さんが分かりやすく説明してくれた。
バントの構えを見せることで前に来るピッチャーとファースト。その間にプッシュバントを放つことで二人の間を抜き、本来ならばベースカバーに向かうはずのセカンドにボールを捕らせる。ファーストがベースから離れておりセカンドもボールを捕ってからでは間に合わない。そうなれば一塁ベースが空くためバッターは難なく一塁を陥れることができるという戦法らしい。

「ボールを取れなかった時点でピッチャーかファーストがベースカバーに行くか、飛び込んででもどっちかが捕ってセカンドにベースカバーを任せるか」
「それを瞬時に判断しないといけないから守ってる側からすれば溜まったもんじゃないよね」

こんなプレーを練習することなんてまずない。一試合で一回決まればいいバントだけど、それをここで使ってくるってことは……

「この回何としてでも点を取りたいってこと?」
「つまり四番のリュシーさんまで回すってことだよ」

ここからは一番に打順が返る。最低でもあと一人ランナーを出さなければリュシーさんには回らない状況で果たしてどのように動くのか、球場中の注目が集まっていた。





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