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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
トライアングル
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手たちは円陣を解くと、ベンチへと駆け足で入っていった。
「投手戦になりますかね、これは」
本部席では試合展開が早くなった試合を見ながら一人がそんな言葉を漏らす。それに呼応するように、他の面々も同様な見解を述べていた。この二人を除いて。
「いや……もしかしたら桜華は何か仕掛けてくるかもしれないぞ」
「何かって……ランナーもいないのにですか?」
真田の言葉に選手たちを送り出して戻ってきたばかりの佐々木が疑問を投げる。ここまでの彼女たちのバッティングを見ればそう簡単に塁に出れないのは必然。塁に出なければ仕掛けることはできない。
「去年の甲子園で奴は言っていた、『勝利には理論がある』と」
「あぁ。恐らく奴には吉永から出塁する方法が出来上がっているんだろう」
「その方法ってなんです?」
その問いに首を振る二人。打席に入った左打者が一体どんな攻めをしてくるのか、誰一人予想がつかなかった。
莉愛side
「桜華はあの四番以外で得点を奪うビジョンができないね」
吉永さんのピッチングが完璧すぎて付け入る隙がまるでない。それはもちろんなんだけど、ほとんどの打者が彼女のストレートとカーブのコンビネーションに対応できておらず、ただアウトを積み上げているだけだった。
「この回は九番からだし、次の回が勝負かな」
「でも無理して勝負しなくてもいいんじゃない?」
「日帝大がそんな逃げ腰でいいわけないでしょ?」
強豪校ゆえにプライドもあれば周りからの目もある。おまけに相手は秋も春も予選で破れているとなればなおさら主軸の選手だろうと歩かせるわけにはいかない。先輩たちの見解はまさしくその通りだと思いました。
「大変なんですね、そんなことまで気にしなきゃいけないなんて」
「まぁ歩かせる方法もいくらでもあるけどね」
笑いながらそう答えた伊織さん。確かに立ち上がらなければ敬遠とは言えないだろうし、いざとなったらそれも頭の中にはあるんだと思う。
コッ
勝負は次の回。そう思っていた私たちでしたが先頭打者の思わぬ行動に目を疑いました。
「セーフティ!!」
「でも強い」
ピッチャーの横への強いバント。普通なら三塁線に転がして少しでも送球を送らせるのがセオリーなはずなのに、彼女が行ったバントはその真逆のものでした。
「ピッチャー!!」
「ファースト!!」
バントの構えで出てきた一塁手と投手。その二人のちょうど真ん中を抜けるようにボールが転がります。
「オッケー!!」
しかし二人の間を抜けるということはセカンドの正面にあたる。桜井さんが前進してそれを捌
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