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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
トライアングル
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「菜々のカーブをあんな軽々と打つなんて……」

ホームベースを踏みハイタッチをする黒髪の少女。彼女のスイングは今まで見た中でもかなり速い分類に入るものだった。

「まさかこの試合乱打戦になる?」
「えぇ!?それは勘弁してよぉ」

一試合……それも緊張感のあるギリギリの戦いをしただけに疲労がかなり残っている。それもあって長時間試合を見たくないと優愛ちゃん先輩がタメ息を漏らすと莉子さんと栞里さんが睨みを利かせていた。

ギンッ

打ち合いに発展するかと思われたけどここは吉永さんはエースの意地を見せ後続を断つ。点差は1点だけど、日帝大からはこれまでの楽勝ムードが消えていた。

「日帝大は下位打線から」
「この回で点を取れるかで試合の流れも変わってくるよ」

初回はホームランを絡めての3得点。コールドは五回7点差なのでここからどれだけ得点を積み上げていけるか。

「ストライク!!」

初球は外角へのストレート。ここまで全ての投球がストレートであるため、空振りではあったけどタイミングは合っている。よほどストレートに自信があるのかわからないけど、これじゃあこの回も打ち込まれるに違いない。

そう思っていると、続く二球目で思わぬことが起きました。

「落ちた!!」
「しかも速い」

ここまでストレート一辺倒だったソフィアさん。二球目もそれにタイミングを合わせていたバッターは鋭く落ちる変化球に対応できない。

「スプリットか?」
「でも落ち幅も大きかったね」

フォークよりも浅く握ることで変化量は減るもののストレートに近い球速を出せるスプリット。恐らくそれなんだろうけど、通常のスプリットよりも落ち幅が大きい。

「ストライク!!バッターアウト!!」

前のスプリットの残像が残っていたのか高めのボール球に手を出し三振に倒れる。続く打者も内角のストレートに詰まらされショートゴロ。三人目の打者は三球全てにスプリットを投じられ手も足も出ずに三振に倒れていた。

「配球も何もないね」
「押せ押せで乗り切っちゃったよ」

厳しいコースは突いてるけど力業の印象が強い。それで凌げちゃうんだから相当球が走ってるんだろうけど、こんなピッチング長くは持たないよね。

裏の桜華の攻撃は六番から。なんだけど……

「アウト!!スリーアウトチェンジ!!」

吉永さんのストレートと縦に大きく割れてくるカーブに合わせるだけのバッティングで三者凡退。初回の攻防が嘘のようなスピーディー展開に思わず顔を見合わせる。

「初回にホームランを打ってる桜井さんに回る。前の二人もいい当たりしてたしスプリットをどう使うかが鍵になるね」

そう読んでいた瑞姫だったけど、先頭の宮川さんには三球全てストレート。一球目は空振り
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