閲覧注意! 食事中は気分悪くなるかも
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は頼れないと、ハルトは殺虫剤で応戦。白い霧吹き状の液体が霧散し、何体かの脚を止める。
そして。
うち二体が、接触した。
正確には、ハルトの左右。
可奈美と紗夜の頭上に。
「「ヒッ……」」
「……この状態から入れる保険があるんですか……?」
「「いやあああああああああああああああああああああああああっ!」」
耳元だということを忘れた少女二人は、遠慮なく大声で叫んだ。
数秒間、ハルトの聴力が完全になくなった。耳から脳に直接伝わって来た二人の少女の振動は、軽い脳震盪を起こし、ハルトの意識を半分刈り取っていく。
「話よりも先に掃除しましょう!」
ようやく聴力が回復した時。
それは、可奈美が迅位の速度で殺虫剤を撒いた後で、紗夜が主張した時だった。
「あ、やっと耳が治った……」
「ウィザード、平気?」
そんな今。
可奈美はまさに人並外れた素早さで虫たちを駆除していく。放っておけば、ソファーに置いてある御刀、千鳥まで動員してきそうだ。
「ありがとリゲル。……っていうか、あの二人にももう少し俺のこと心配してほしいんだけど」
「ウィザード以上に、あっちが気になるのね……まあ、私も同感だけど」
腰を曲げるリゲルへ、ハルトは「あはは」と薄ら笑いを浮かべた。
リゲルより遥かに関わりが深いはずの二人がすっかりと自分よりも虫退治に夢中になっている二人へ、ハルトは少し涙目になった。
「可奈美ちゃんも、俺と同じくらい旅とかやってきたらしいし、ああいうの慣れるものだと思うんだけどな?」
「掃除しましょう!」
紗夜の主張がもう一度響く。
「他人のことにそれほど干渉するつもりはありませんが、これでは話ができません!」
「そうだそうだーっ!」
紗夜の背後で、可奈美が手を上げる。
すると、リゲルの顔にみるみるうちに輝きが溢れていく。
「柏木さん。今から、掃除させてください!」
「そうだよ! だからハルトさん!」
「はいっ!?」
いきなりの指名に、ハルトはびくっと背中を震わせた。
可奈美は紗夜を飛び越えて、ハルトに迫る。
「ハルトさん! コネクト!」
「コネクト? はい……」
可奈美に圧され、ハルトは腰のホルスターからコネクトの指輪を取り出した。可奈美は即座に指輪を取り上げ、彼女の右手中指に差し込んだ。
『コネクト プリーズ』
コネクトの魔法。
ハルトの魔力を消費して発動するものだが、その接続場所は指輪の持ち主の意思を反映する。
ハルトが知らない魔法陣の行先。可奈美が手を突っ込むと、彼女はその中から雑巾を取り出した。
「はいハルトさん!」
「う、うん……え? 俺もやるの?」
「紗夜さんも
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