第百十五話 鷲塚、小次郎を気遣うのことその八
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「それがわからないけれど」
「多分あれや。あいつの気付かんうちに于吉とかに雇われたんや」
あかりはそう読んでいた。
「そんで孫策さんの命を狙ったんやな」
「わかったわ、あの連中のなのね」
「他にも怪しい話あるで」
「あれじゃな」
ここでだ。黄蓋がその流麗な眉を鋭くさせた。
「孫堅様の時じゃな」
「あっ、確かに山越は石弓は使っていません」
「今に至るまで」
周泰も呂蒙もはっとなった。
「孫策様に対しても使ってきましたが」
「あの時も彼等からは石弓は見つかっていないです」
「ではやはり」
「刺客は」
「そや。山越やないで」
あかりは断言した。
「あの連中やないとするとや」
「于吉、あの男ですね」
「間違いなく」
「そう思うのが妥当だろうな」
漂も珍しく真剣な面持ちで話す。
「それにだよ」
「ほら、紫鏡だよ」
十三はその彼の話に戻した。
「あいつは只の小悪党にしてもな」
「小悪党の後ろには黒幕がいる」
孫権はこの考えに至った。
「そういうことね」
「その黒幕は誰だと思う?」
「刹那じゃないの?」
孫尚香は腕を組み考える顔になって述べた。
「あいつでしょ、多分」
「うちもそう思ってる」
あかりはまさにその通りだと答えた。
「あいつはそういうの得意やからな」
「冥界の存在ね」
孫権はまた述べる。
「間違いなく人間ではない」
「封印せんとあかん」
あかりはこのことは絶対だと言い切る。
「問題はそれが月の命に関わることや」
「四霊の者達だけでは無理なのじゃな」
黄蓋は眉を顰めさせて述べた。
「あの者達だけでは」
「封印してもそこに蓋をしないと駄目だろ?」
漂は料理に例えて話す。
「そうだろ。蓋が必要だろ」
「確かに。封じてもそれで終わりではないわね」
「そういうことだよ。だから月ちゃんが犠牲にならないと駄目なんだよ」
こう孫権に話すのだった。
「絶対にな」
「そこを何とかしないといけないわね」
孫尚香は腕を組んで考える顔のまま話す。
「冗談抜きでね」
「そちらの世界ではともかくです」
「この世界では月さんを死なせる訳にはいきませんね」
呂蒙と周泰も言う。
「その為にはどうするべきか」
「そうですね」
「あっ、そういえば」
ここでだ。呂蒙はふと気付いた。それは。
「あかりさん以前仰っていましたけれど」
「ああ、黄龍のおっちゃんやな」
「月さんの保護者だったという」
その彼のことがここで話に出たのである。
「あの方の御力を借りることができれば」
「あの人一回死んでるしな」
あかりは困った顔になり呂蒙に答えた。
「それにこの世界に来てるにしてもや」
「見つけて御力をというのは」
「今すぐは難しいや
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