リュカ'sキッチン レシピその1「よそみゆびきりパイ」
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来るというのは何よりの至福なのだ!
勿論、両陛下がお揃いでキッチンに現れる事は少ないが、ビアンカ王妃陛下は週に1.2回ほど、ご家族への料理を自らお作りになるので、新たな料理の開発以外では来られないリュカ陛下よりも、間近でお目にかかれる機会が多い。
ただ……間近でお目にかかれるってのが案外危険なのだ。
先日も、広い城内キッチンで俺の前の場所が空席だった。
別に人数分ピッタリ有るわけでもないし、そんな事は日常茶飯事なのだが、丁度その日にビアンカ王妃陛下が料理をされにきた。
高飛車な王妃が気紛れで料理をしに来た為、一番良い場所(善し悪しなんて存在しないが)を独占する……何て事はビアンカ王妃陛下には絶対に無く、その日の空いてる場所に自ら収まる。そう、つまりその日は俺の目の前!
あのビアンカ王妃陛下が目の前に居るのだ。
アルコールを摂取してなくても、そのフローラルな香りに腰砕けになるほどの距離に、一目間近で見たら数週間は他の女性の顔は“ジャック・オゥ・ランタン”に見えてしまうと言われてるほどの女神が俺の目の前に舞い降りたのだ。
ビアンカ王妃陛下は公式の場でもない限り、常に一般的な服装を好まれる。
その日も華美なドレスなどではなかったが、特筆すべき点が2点。
まず1点は、これは城下を散歩される時も同様なのだが、左の二の腕にホイミスライムが触手を絡ませて随伴してる事。
これは料理中に怪我をしたとき用にと、万が一暴漢に襲われてとき用にだ。
このホイミスライムはリュカ陛下と共に世界を救う旅をした強者で、俺なんかが包丁を振り回して襲いかかってもワンパンで伸されるだろう。
そしてもう1点……
こっちが重要なのだが、普段着で無意識なのか判らないのだが、ビアンカ王妃陛下の大きな胸の為に出来る谷間が、如何しても見えてしまう服装なのだ。
料理をするので少し前屈みになるのだが、その所為もあってより一層俺の視線を奪い取っていく。
ビアンカ王妃陛下の胸はかなり大きいので、前屈みになり服との隙間が出来、チクb……トップが見えるという事は無いのだが、それでも男は見てしまう。
そんな中、事件は起きた。
ビアンカ王妃陛下の手伝いという事で、料理の下拵えをしていた俺。
完全にビアンカ王妃陛下の胸元に視線を固定しながら、手元ではキャベツの千切りを高速で行っていた。
いくら料理人(見習いも含む)とは言え、刃物を扱っている時は手元を疎かにしては大問題だ。
そしてその大問題は、即座に明瞭になる。
(ゴリュ!)という鈍い音と共に、俺の指先に激痛が走る。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
俺は痛みと共にその事態を理解し、情けないほどの悲鳴を上げてしまう。
傷口を見ると、骨まで達し……と言うか、その骨すら半分切断されており、指先
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