第一章
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少女の十年後
泉幸太郎は細面で丸眼鏡をかけた少年だ、黒髪は清潔な感じでやや小柄な体はカマキリの様に細い。
その彼がだ、クラスメイト達に語っていた。今彼も周りも十歳である。
「同じ歳の女の子ってどうでもいいよね」
「どういうことだよ」
「どうでもいいって」
「だって胸ないしさ」
泉はまずこのことから話した。
「それにずん胴だしお尻も小さいし」
「それ子供だからだろ」
「子供だから当たり前だろ」
「そう言う俺達も子供だしな」
「そうだけれどね、僕女の人は大人の人がいいんだ」
こう言うのだった。
「胸があって腰がくびれていてお尻も大きい」
「そんな人が好きか」
「そうなんだな」
「そうだよ、同じ歳の女の子はお友達でも」
それでもというのだ。
「そうした意味で好きになるなんてね」
「ないか」
「そうなんだな」
「絶対に」
「ないよ」
はっきりと言った、子供の頃の彼はそう思っていた、それで。
同じクラスの淀屋晶子切れ長の大きな目でピンクの唇でやや面長の顔で茶色の髪の毛を長く伸ばしている彼女と友達だったが。
友達だけだった、二人きりでいても一緒にゲームをしたり鬼ごっこをしたりして遊ぶだけであった。
それでだ、晶子は泉に言った。
「あの、手をつないだりしないの?男の子と女の子なのに」
「だって僕達友達だからね」
「それでなの」
「付き合ってないじゃない。淀屋さんもそんなつもりないよね」
「それはね」
晶子も応えた。
「泉君大人の女の人が好きだし」
「うん、そうだよ」
泉も否定しなかった。
「だから淀屋さんには何もしないよ」
「そうなのね」
「お友達だよ」
そうして付き合っていくと言うのだった。そうして二人は仲良く遊んでいたが晶子は親の仕事の関係で転校してしまい付き合いはなくなった。
十年後大学生になっている彼はあるビーチでアルバイトをしていた、海の家で働いていたがその時にだった。
一人の小学生位の女の子が店に来て言ってきた。
「かき氷下さい」
「何のかき氷かな」
「苺下さい」
茶色の髪を長く伸ばしていて吊り目で小さなピンクの唇でやや面長の顔である、小さな身体をピンクのワンピースの服で覆っている。
「そちらを」
「わかったよ、それじゃあね」
「ちょっと咲子」
ここで店にもう一人の声が来た。
「先に行ったら駄目でしょ」
「あっ、お姉ちゃん」
「お姉ちゃんじゃないわよ、いつも二人でって言ったでしょ」
泉と同じ年頃の女性の声だった。
「勝手に行ったら駄目よ」
「御免なさい」
「わかればいいけれどね」
こう言って来たのは。
少女と非常によく似たもっと言えば少女を政庁させた様な顔立ち
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