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巫女といえど人間
第一章

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        巫女といえど人間
 後藤幹男は大学生である、一八〇を優に超える背でゴリラを思わせる体格に四角く大きな顔と太く大きな眉とこれまた大きな瞳を持っている。髪の毛は異様に多く黒々としていてしかも硬く太い質だ。毛深くかつ歩き方もどっしりとしている。
 今彼はある大社に学業成就を願って参拝した時に金髪の細面で鼻の高い細い青い目の自分と同じ位の痩せた男にこう言われた。
「日本は素晴らしいですね」
「あの、そう言う貴方はどなたですか?」
「私はユウイチ=イタガキといいます」
 男はこう名乗った。
「カルフォルニア生まれでこの度仕事の転勤で日本に来ました。日本で言うサラリーマンです」
「アメリカの方ですか」
「父は日系人で母はスコットランド系でして」
 それでというのだ。
「肌は黄色く顔立ちはおおむねアジア系ですが」
「お鼻が高くてですね」
「髪と目はこの色です」
「そうですか」
「はい、それで日本が素晴らしいというのは」
「どうしてですか?」
「あちらです」
 こう言ってだ、イタガキは。
 大社の中で掃除や絵馬やお守りの売り場や大社の中で働いている巫女達を見てそのうえで後藤に対して話した。
「巫女、神道のあの麗しき美少女達がいるので」
「だからですか」
「他のものも素晴らしいですが」
「特にですか」
「噂に聞いていた巫女、何と麗しく」
 イタガキは後藤に感激している顔と声で話していった。
「可愛らしく楚々としてかる神々しいのか」
「またえらく気に入られましたね」
「気に入らずしてどうか。勿論シスターも素晴らしいです」 
 キリスト教の彼女達もというのだ。
「ですが」
「それでもですか」
「はい、巫女のこの神秘的な神々しさは」
 やはり感激している顔と声で話すのだった。
「最高ですね」
「そう言って頂けますか」
「嘘ではありません」
「まあ確かに巫女のあの衣装はいいですね」
 後藤もそれはと認めた。
「奇麗で可愛くて楚々としていて」
「神々しいですね」
「萌える人も多いです」
「それも当然です、私もそのうちの一人です」 
 萌えているとだ、イタガキ自身認めた。
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