第二章
[8]前話
「そうした日なのよ」
「それが私が生まれた日ですか」
「そう、だからね」
弓香に優しい顔のまま話していった。
「北条さんが生まれた日も何もなかったんじゃなくてね」
「あったんですね」
「そうした日だからね」
それ故にというのだ。
「交換することはないのよ。どんな誕生日も絶対に何かあるから」
「交換しなくていいんですね」
「そう。七夕はいい日でね」
そしてというのだ。
「九月二十日もいい日だから」
「私このままでいいんですね」
「そうよ。どんな人もそれぞれいい誕生日を持っているのよ」
自分が担任の小さな女の子に優しい笑顔で話した、すると彼女は二度とこうしたことは言わなかった。
その話の後香織は翠にこのことを話した、すると翠はこう言った。
「どの日に生まれてもですね」
「そうよ、その日が特別な日だからね」
「いい悪いはないんですね」
「そうよ。一年全ての日に何かあるのよ」
絶対にというのだ。
「だからいい誕生日悪い誕生日はないのよ」
「そういうことですね、ちなみに私五月五日生まれです」
翠は笑って話した。
「子供の日生まれです」
「あら、そうなの」
「女の子なんですけれどね」
「それでも子供の日生まれなのね」
「そうなんですよ」
「それも面白いわね」
「そうですよね、私も特別な日に生まれて」
翠はさらに話した。
「他の人もですね」
「そうよ、私も十月十九日生まれでね」
「野球では特別な日で」
「それぞれよ、だからね」
「それで、ですね」
「いい悪いはないのよ、誕生日に」
「そういうことですね」
翠は香織の言葉に笑顔で頷いた、そうして誰かが自分の誕生日を話すとこう言う様になった。そしてこのことから人間は誰もが同じという考えを強くした、誰もが同じく誕生日に何かがあったのだから。
どんな誕生日も特別 完
2022・3・22
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