暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
乱打戦
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帝大の強さを確認するだけになりましたね」

初回の攻防で有り余る実力差が目に見えている。彼女たちの売りである打撃力とエースの力を確認するだけの展開に気が抜けていた私たち。

カキーンッ

気が抜けていたところで響き渡る快音。慌てて打球を探すと左中間のフェンスへと白球が突き刺さっていた。

「なっ!?」
「弾丸ライナー!?」

二塁ベースに楽々到達している少女。打った瞬間をほとんどのメンバーが見ていなかったため、何が起きたのか訳がわからず慌て呆けていた。

「何々!?何を打ったの!?」
「すみません!!見てませんでした!!」

優愛ちゃん先輩の問いに頭を下げる。私たちがあわてふためいている中、場内アナウンスと一緒に歓声が巻き起こった。

『四番・キャッチャー・リュシー・バルザックさん』

一塁側スタンドから沸き起こる歓声。それまで流れていた応援歌が霞むほどの歓声に圧倒される。

「何々?」
「人気者?」
「確か去年のベスト8まで勝ち上がった時の立役者のはず」

情報通の紗枝がそんなことを言う。この歓声は期待の現れということか。

「ここまでの成績とかわかる?」
「いや……さすがにそこまではーーー」

カキーンッ

再び響き渡る打球音。打ち上げられた打球はバックスクリーンへと吸い込まれ、球場は先程を上回るほどの歓声に包まれた。





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