暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
乱打戦
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を見て彼らはタメ息を漏らしていた。

「去年の聖エスポワールって言えば、あの変化球投手の印象が強いんだよなぁ」
「投げ方が似てるから同じタイプかと思ったけど……」
「ストレートでのゴリ押しとはね」

唸りを上げるストレート。低めに集まってはいるものの日帝大付属の打撃陣はそれにキッチリタイミングを合わせている。三番桜井の2ランホームランの直後に右中間を破る2ベース。その次の打者にもセンター前ヒットを打たれて3失点。それなのに頑なに変化球を使わないバッテリーに苛立ちすら覚えていた。

「どうやら警戒するほどでもなかったみたいだな、俊哉(シュンヤ)
「だといいんですけどね」

真田の言葉に苦笑いで返す町田。しかし、彼は手元にある資料を見ながら目を細くしていた。

(予想していたタイプの投手とは確かに違う。だが、この投手がストレートだけじゃないことはよくわかった)

追い込まれてからの内角のボールに詰まりゲッツーで3アウトになった日帝大付属。しかし初回に先取点を取った彼女たちはベンチから元気よく飛び出してきた。

(ここまで三試合全て先発完投しているソフィア・バルザック。チームもコールドで全て勝ち上がっているからイニング数は15回だが、失点は合計で7点。それも全試合初回に失点しているから完封での勝ちがない)

これだけ聞くと大したことない投手のように聞こえる。しかし、各試合のスコアを入手した町田はあることが気になっていた。

(初回以外は失点がないということは立ち上がりに問題があると思っていたが、こんなストレート一辺倒じゃ打たれて当然だ。逆にどうやって他のイニングを抑えたのか疑問になるレベルだ)

試合の日程の関係で桜華の試合に偵察を送ることができなかったためデータが一切ない。そのためこの試合で情報を収集しようと考えたが、それも無意味に終わると肩を落とした。

(無難に日帝大が勝ち抜いてくるか。波乱が起きてくれた方が面白かったが、それはそれで戦いやすいからいいか)















莉愛side

「ストライク!!バッターアウト!!」

快速球に振り遅れ空振り三振。これにより一回の裏の桜華学院の攻撃は早くも二つの赤いランプが点灯していた。

「いいボール投げるね、菜々は」

マウンドにいるのは日帝大付属の絶対的エースと言われる吉永さん。彼女の投げるボールはスタンドから見ても一級品であることがよくわかるほどにキレていた。

「あの人も日本代表ですか?」
「候補には入ってたよ」
「最終選考で漏れちゃったけどね」

実力は申し分ないってことみたい。打席にはマウンドを任されている銀髪の少女が入る。

「この感じじゃコールドで決まるかもね」
「日
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