暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
乱打戦
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てるから今日は本気も本気だよ」

準決勝まで3日空くこともありエースである吉永さんも出てきてのフルメンバーとのこと。けたたましいサイレント共に投球に入る銀髪の少女。その初球、力のあるストレートを振っていきバックネットへのファールとする。

「あのストレートに初球からタイミングが合うんだ」

日帝大付属は初球からガンガン振ってくるチーム。それも多少のボール球でもお構い無しとのことで、初見の投手でも打てると判断すればすぐに食い付いてくる。

カキーンッ

続くボールもストレート。わずかに浮いてきたそれを打ち返すと打球は深めに守っていたライトが後退し捕球するほどの大飛球となった。

「これは打たれるのも時間の問題かな?」

莉子さんの予想通り続く二番打者は初球をフルスイング。力のあるストレートに振り負けることなく打球はセカンドの頭の上をライナーで越えていく。

「1アウト一塁……ここからはクリンナップだけど……」
「三番打者はあいつだもんね」

右打席に入る背番号4。身長も高く体格的に恵まれている彼女は小さく息を吐くと構えに入る。その姿には無駄な力は一切入っておらず、まるで隙がない。

「すごい人なの?」
「日帝大付属は《三番打者最強説》を提唱してるからね。この高い打撃力を持ってるメンバーの中で一番いいバッターってことになるから」

瑞姫に聞いてみたらやっぱりすごい人だったみたい。前の二人を見ただけで打力が高いのはわかるけど、それよりもいいバッターって言うのは想像ができないんだよね。

「百聞は一見に如かずだよ」
「それもそっか」

これからそのバッターの打席が見られる。一体どんなバッティングをするのか注目が集まる。

「ボール」

初球は外角へのストレート。際どいところだったけど微動だにせず見送る。

(初球は見てくるタイプなのかな?でも前の二人はそんな感じじゃなかったし……)

カキーンッ

注目のスラッガー桜井(サクライ)さん。彼女の分析をしていたところ甲高い打球音が鳴り響く。高々と描かれた放物線は失速することなくスタンドへと放り込まれた。
















第三者side

「相変わらずよく打ってきますね」
「本当ですね」

こちらは本部席。アウトカウントは1つのみでランナーは一塁。スコアには既に3と数字が入っており、優勝候補の力を遺憾なく発揮していた。

「それにしても……なんか印象変わるなぁ」
「そうだな」

右の横手から放たれるストレート。そのスピードは日本の女子野球ではなかなかお目にかかれないほどのボールではあるが、それだけでは抑えられない。この回六人目の打者なのにここまでストレートしか投じていない少女
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