第118話『鉛の雨』
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みつける。
「何を言っているのか全く理解できないが」
「だろうな。だが無知を恥じる必要はない。これから知っていけばいいだけのこと。冥土の土産くらいにはなるだろう」
「この僕がいて、そんな狼藉が許されるとでも?」
「なら比べてみるか? 俺とお前、古き魔術師と新しき魔術師はどちらがより優れているのか」
「受けて立とう!」
雨男が挑発し、アーサーがそれに乗っかった。危険だと警告したくなるが、アーサーならば大丈夫なのではないかと謎の安心感もある。何せ、魔導祭最強の魔術師なのだから。
「ふっ! はっ!」
「おーおー怖い怖い」
子供相手でも躊躇うことなく剣を振るうアーサー。しかし雨男は、それを小さな身体を生かしてひょいひょいと躱していく。その動きに無駄はなく、どれだけ動いてもフードが脱げず、顔を覗かせてくれない。
「"聖なる剣戟"!」
「そんな子供騙しには引っかからないぞ」
アーサーが剣を高く掲げ、そして力いっぱい振り下ろす。そして視界を覆い尽くすほどの光が雨男を襲った。
しかし、雨男はその光に潜む本物の斬撃を身体を捻っただけで避ける。まるでどこに放たれたのかわかっていたかのように簡単に避けたのだ。
「ならば、"煌めきの円舞"!」
一撃でダメなら、何度でも攻撃するまで。次にアーサーが繰り出したのは、何度も回転しながら斬りつける技だった。風香の"旋刃"と似たものを感じるが、速度が桁違いだ。1秒間に一体何回転しているのか。
「当たらないぞ」
「くっ、ではこれなら──」
しかし、そんな高速攻撃すらも全て避ける雨男。彼にはあの剣筋が見切れているというのか。それなら動体視力が良いどころの話ではない。
攻撃が当たらず、さすがに焦りを見せるアーサーは次なる技を構える。すると、
「もういい。そうやってチャンバラ振るのが旧魔術師なら、新魔術師には一生届かないよ。これで終わりだ」
「何を──がはっ」
失望したようにそう言いながら、雨男がアーサーの腹部に手をかざすと、そこからいきなり鮮血が噴き出す。まるで散弾でも放ったかのように、アーサーの腹部が大きく抉られていた。
「アーサー!」
血を口から溢しながらその場に倒れ込むアーサー。それを見て、すぐさま影丸含む【覇軍】のメンバーがアーサーの元に駆け寄った。その内の烏帽子を被った女性が、急いで治癒魔術らしきものをアーサーにかけ始める。
「ほら、所詮この程度だ。旧魔術師は新魔術師には敵わないんだよ」
雨男がフードの下で嘲笑う。その発言に、影丸がキッと睨みつけた。
「さっきから新魔術師
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