第三話 いかさま師その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
そうしながらだ。こう彼に話したのである。
「幼馴染のカップルってな」
「本人達は否定してるけどな」
「有名なのですか」
「だってよ。二年の本木って料理部で有名な娘だからな」
彼女のことからだ。有名なカップルだというのだ。
「料理上手でしかも可愛いしな」
「あのスタイルだからな」
「スタイルですか」
スタイルのことについてはだ。可愛さの話題についてもそうだが。
十字はそのことには淡々としていた。まさに何の興味もない感じだ。
それでだ。そのことについてはほぼスルーでだ。先輩達に別のことを尋ねたのだった。
「では料理部での腕から」
「そうそう、何でも作られてな」
「お菓子なんかも上手でな」
「俺達も料理部にお邪魔して試食してもらってるぜ」
「性格もいいしさ。人気出るのも当然だぜ」
「そうですか。この学校での有名人ですか」
このことを聞いて納得する十字だった。そしてだ。
先輩達にだ。さらに尋ねた。
「そしてその彼女と共にいるからですか」
「ああ、神崎はサッカー部のミッドフィルダーなんだよ」
「こっちはまあそこそこか?」
「悪い奴じゃないけれどな。本木みたいには目立ってないぜ」
「あくまであいつが目立ってるんだよ」
「わかりました。そうですか」
そのことを聞いて納得する十字だった。とりあえず二人のことはわかった。
そして今度はだ。彼等のことだった。
「それでなのですが。お二人と共にいたあの金髪の人は」
「清原のことか?」
先輩の一人が答えた。
「清原雪子のことか?」
「はい、確か名前は雪子さんといいました」
クラスの中での三人のやり取りからだ。名前を思い出して答えた。
「清原雪子さんですか」
「その本木と同じ料理部でな」
「顧問の清原先生の妹なんだよ」
先輩達は十字に彼女の事情も話した。
「あの顔だから男の子には人気あるぜ」
「あとな。お兄さんの清原先生もな」
彼の話も為されるのだった。
「女の子達に人気があるんだよ」
「人気あるのですか」
「美形でしかも紳士でな」
「公平な性格だし親切だしなあ」
「俺達みたいな馬鹿にも丁寧だしな」
先輩達もその一郎については好意的だった。
「悪い人じゃないぜ」
「っていうかあんなにいい人そうはいないぜ」
「そうですか。いい人ですか」
十字が彼から感じ取ったことはだ。今は言わずにだ。先輩達の話を聞くのだった。
「で、その料理部で本木に目をかけててな」
「二人で色々引き立ててるんだよ」
「できた先生に友達だよ」
「だよな」
こうだ。先輩達は目を細めさせてその兄妹のことを話す。それで話に波が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ