第二章
[8]前話
養成所の先生事務所のベテラン声優であるその人に言われた。
「君声いいね、演技も素質があるし」
「そうですか?」
「うん、筋がいいから頑張ってね」
養成所に入った初日からこう言われてだった。
レッスンを受けていった、するとどんどん才能を開花させてだった。
養成所を出るとすぐにアニメのオーディションを紹介された、最初は所謂モブ役だったがすぐにだった。
メインの役を貰う様になった、ファン達も彼を見て言った。
「いい若手が出て来たな」
「この人これから出るな」
「この事務所の新たな看板声優だな」
「この事務所もいい人見付けてきたな」
こう話した、そして忽ちのうちに人気作品の主役も演じる様になり。
人気声優の一人となった、それで弟は彼に笑顔で話した。
「よかったな、背が低くてもな」
「芸能界でやっていけるんだな」
「そうなんだよ、俳優さんやモデルさんにはどうかと言われても」
それでもというのだ。
「声優さんなら問題ないからな」
「声の仕事だしな」
「兄貴声よかったしな」
「それで俺に勧めてくれたんだな、声優になることを」
「そうだよ、折角顔もいいのに残念だからな」
「実は最近顔でも言われてるんだよ」
総一郎はこちらのことも話した。
「イケメン声優とかな」
「そうなんだな」
「背は低いとか言われながらもな」
「声優さん顔も言われるんだな」
「特に女の人はな、雑誌でのグラビアもあるし」
「それは知らなかったな」
「ああ、けれどそっちでも人気出て嬉しいよ」
総一郎は素直に笑って話した。
「人気商売だからな」
「それでか」
「ああ、じゃあこれからもな」
「顔でもか」
「仕事していくな」
弟に笑顔で話した、そして雑誌のグラビアやイベントという顔出しの仕事も行っていった。やがて背のことは自分でもネタにする様になった。するとさらに人気が出た。もう彼は背のことで困ることはなくなっていた。
ただ高校卒業後トラックの運転手になった弟を見てこう言うのだった。
「お前は祖父ちゃんに似たからな」
「でかいよな」
「全く、子供の頃は羨ましかったな」
「俺の方が背が高いからか」
「ああ、世の中不公平だってな。けれどな」
弟に笑って話した。
「そう思ってな、世の中やっていけるな」
「そう言う俺は顔こうだけれど結婚したしな」
「俺もな、じゃあこれからもな」
「兄弟それぞれやっていこうな」
こう話した、そして兄弟で何時までも仲良く生きていった。
美形で声もいいので 完
2022・3・20
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