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ドリトル先生とめでたい幽霊
第十幕その三

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「僕達も知っている位だし」
「日本の歴史に乗る位だし」
 チーチーも何処か嬉しそうです。
「凄かったんだね」
「それで皆あまりにも嬉しくて」
 ダブダブも橋の下を見ています。
「フィーバーして飛び込んだんだね」
「そうだよ、それから阪神が優勝したら」 
 先生も言いました。
「皆ここに飛び込む様になったんだよ」
「二十一年振りの優勝で」
「二リーグ制になってからはじめての日本一だったし」
「余計に嬉しくて」
「そうしたんだね」
「そうだよ、阪神はね」 
 先生はこのチームのお話もしました。
「本拠地は西宮でね」
「大阪じゃない」
「そうなんだけれどね」
「阪神は大阪のチームになってるね」
「一時期ユニフォームに大阪って書いてあったし」
「そうだよ、そしてね」
 それでというのです。
「今はもう完全にね」
「大阪のチームになっているね」
「ひいては関西全体のチームだね」
「それが阪神だね」
「日本に来て驚いたよ」
 先生はこうも言いました。
「こんなスポーツチームがあるんだって」
「阪神は強いかっていうとね」
「決してそうじゃないのよね」
「今じゃ毎年日本一になってるけれど」
「十二球団最強の投手陣とダイナマイト打線があってね」
「凄く強いけれど」
「あの優勝だって二十一年振りだよ」
 そうであってというのです。
「そうだったね」
「それまでもね」
「昭和三十七年と三十九年までね」
「二リーグ制になってから優勝してなかったし」
「ずっとね」
「阪神の歴史は色々なことがあって」   
 それでというのです。
「その中で色々あったけれどね」
「優勝した数は少なかったね」
「二リーグ制になってずっとその二回だけで」
「それであの時が二十一年振り」
「そうだったね」
「そうだったよ、そして日本一になったけれど」
 昭和六十年のその時もです。
「それからもだったね」
「というかそこからが凄かったね」
「二年後に最下位になって」
「もう滅茶苦茶弱くて」
「どうしようもなかったね」
「阪神は」
「星野さんが監督になるまで」
 まさにその時までというのです。
「どうしようもなかったね」
「僕達はこの目で見ていないけれどね」
「阪神のその時代は」
「暗黒時代と言われているけれど」
「その頃のことは」
「そうだよ、暗黒時代のことはね」 
 本当にというのです。
「阪神ファンというか野球ファンの間で今も語り草だけれどね」
「滅茶苦茶弱くて」
「特に打線が打たなくて」
「阪神って投手陣は伝統的にいいのに」
「打線が、だったからね」
「その打たなさは凄くてね」
 それでというのです。
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