第二章
[8]前話
一家は内心嫌々迎え老婆である俊彦の祖母だけがべたべたと接した。
俊彦は叔父が朝に大飯を食って帰ってから親に言った。
「もう二度と家に入れたくないな」
「そう言うがお袋がな」
「お家に入れてあげてって言うから」
「それで来るんだな、祖母ちゃんもいい加減にしろよな」
ヒステリックで自己中心的で図々しい祖母のことも思った。
「親子して」
「しかし家にいるから仕方ないだろ」
「一緒に住んでるんだから」
「祖母ちゃんも追い出したいな」
俊彦は祖母も嫌いで心からこう思った、だが。
そう考えていると暫くしてその祖母の肺に癌が見付かり。
発見された時はもう末期で祖母は程なくして死んだ、するとだった。
父は遺産をその兄に彼の分を与えてから言った。
「もう来るな」
「何でそう言うんだ」
「厚かましいからだ、うちはあんたの家じゃないんだ」
こう自分の兄に言った。
「だからだ」
「もう来るなか」
「そうだ、あんたの分の遺産はやったから二度と来るな」
こう言って縁を切った、そうして彼が家に二度と来ない様にした。そうして妻と息子に対しても話した。
「もう来ないからな」
「よかったわ」
「全くだよ、幾ら親戚でも厚かまし過ぎただろ」
二人は嬉しそうに応えた。
「人の家であんなに好き勝手してな」
「本当に来る度に厚かましくなっていたし」
「全くだ、兄弟でも礼儀があるんだ」
父は苦い顔で話した。
「それなのにいきなり今日行くで来てな」
「遠慮も何もなく大飯食って風呂入って寝て金貰って帰るとかな」
「腹が立つな」
「二度と来なくて清々するよ」
「安心しろ、もう本当に来ないからな」
「ならいいよ、どうとでもなればいいさ」
俊彦は心から清々した、そしてだった。
叔父が後に働かないまま遺産を食い潰して闇金に手を出して返済出来ず無理矢理何処かに連れて行かれたと聞いて心からざまみろと思った、そしてああはなるまいと誓いしっかりと働き謙虚で礼儀正しく振舞った。すると普通に暮らせたのだった。
厚かましいにも程が 完
2022・3・18
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