第二話 吸血鬼その十四
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のだった。
「ではお話も終わりましたし」
「それならだね」
「夕食にしますか」
こうだ。彼に言ってきたのである。
「これから」
「そうだね。今宵の夕食は何かな」
「まずは主の血と肉と」
ワインとパン、この教会に欠かせない二つのものとだ。
それと合わせてだ。他にあるのは。
「人参にブロッコリー、カブにジャガイモを茹でました」
「いいね。ボイルドベジタブルだね」
「それとソーセージです」
そういったものだというのだ。
「それで如何でしょうか」
「あらゆる食べるものは」
こう言ってからだ。十字は神父に述べる。
「神の恵みだからこそ」
「枢機卿がいつも仰っていることですね」
「頂くよ。それにね」
「そうですね。神にお仕えする者は」
「質素でなくてはいけない」
このこともだ。彼は言ったのである。
「だからこそ。今の食事を」
「はい、頂きましょう」
こうしてだった。二人でその夕食を摂るのだった。他の者が見れば実に質素なその食事も彼等にとってはこのうえない馳走だった。神の恵に他ならないからだ。
第二話 完
2012・1・14
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