第66話 決意
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ンは無事なの?」
「分からん。だがもし殺す目的なら捕らえたりせぇへんわ、その場で殺した方が楽やからな」
「なら尋問する気?」
「かもしれないな。だがどの道時間が長引けばリィンが危険なのは変わりない」
慌てるあたしをフィーは優しく諭してくれた。そして落ち着いた様子で情報を話していく。最初は凄いな……って思ったんだけど触れたフィーの手が震えている事に気が付いた。
フィーだってまだあたしより年下の女の子だ。いくらあたしよりもこういった状況に慣れているとはいえ大切な家族、ましては好意を抱く男の子の危機となればいくら気丈に振る舞おうとしても恐ろしくてたまらないはずなのに……
(あたしのバカ!今は落ち込んでる場合じゃないでしょ!)
あたしは頬をパンと叩いて気合を入れなおした。ヨシュアがいなくなって落ち込んでいたけど本来前向きなのがあたしの取り柄だ!
「ごめん、取り乱したりして。でももうあたしは大丈夫だから」
「……ん、分かった」
フィーはあたしの目を覗き込むとコクリと頷いて離れた。
「エステルちゃん、フィー。俺達はリィンを救出しに向かう。二人も協力してくれ」
「いくらゼノ達がいるとはいえ4人で大丈夫なの?」
「団長や姐さんが部隊を率いて敵の本陣とぶつかっている。敵の目がそちらに向かっている以上救出するなら今しかいない」
レオさんの話だと敵はこの辺りにある古い砦を根城にしているらしい。敵の大多数はルトガーさんたちが引きつけてくれているのであたし達でリィン君を助けるしかないらしい。
「なら直ぐに行こう。こうしてる間にもリィンの身に危険が迫っているかもしれないからね」
「ええ、行きましょう!」
あたし達はリィン君を救出するために敵の潜む砦に向かった。
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――――――
―――
「あそこが敵のアジト……」
アイゼンガルド連峰の一角にある切り立った崖、その崖をまるで城壁のようにして立つ古い砦……あそこにリィン君が捕らえられているのね。
「見張りが多いね……14人か」
フィーの言う通り砦を囲むように猟兵達が警備している。このままでは接近も出来ないわね。
「どうする?崖を登って降りて侵入する?」
「いやそれは危険だ。道具もないし万が一見つかれば蜂の巣にされるだけだ」
フィーは崖を登って上から侵入することを提案するがレオさんに却下される。まあかなり大きな崖だし専用の道具も無しに上るのは危険すぎるわね。
「ここは定番の囮作戦で行こうやないか」
「囮……誰が行くの?」
「当然俺達や。二人と違ってこういう経験は多いからな、慣れとるわ。それにフィーは侵
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