第十五話 夢があるからその十五
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「まだね」
「そうなんだ」
「ええ、けれど今本当に体操服半ズボンとかでよかったわ」
「それは皆言うね」
「そりゃそうよ、あれはね」
「もう結論はそこに至るんだね」
「どうしてもね、しかし何かこうしてお話して飲んで食べてたら」
一華はピーチフィズを飲みつつ言った。
「酔いが回ってきたわ」
「おいかな恵飲み過ぎじゃないか?」
「平気平気」
かな恵は心配する声を出した成海に飲みつつ応えた。
「私お酒好きだから」
「いや、そういう問題じゃないだろ」
「そう?」
「そうだよ、お前あまり強くないからな」
酒は好きだがというのだ。
「全く、いつも飲み過ぎるからな」
「それで成海っちに介抱されてね」
「家まで送ってるだろ」
「今日もそうなるかな」
「仕方ない奴だな、普段しっかりしていてもな」
それでもというのだ。
「酒飲むとこうだからな」
「かな恵ってそうよなのよね」
一華もやれやれといった顔で言った。
「私達の中で一番しっかりしてるのに」
「飲むとね」
富美子は困った顔で言った。
「ぐでんぐでんになって」
「成海君のお世話になってね」
留奈も言った。
「迷惑よね」
「しかも強いお酒飲むから」
理虹はやれやれといった顔になっている。
「困るのよね」
「成海君じゃないととっくに愛想尽かしてるわよ」
一華はかな恵にムッとした顔で告げた。
「いいわね」
「やっぱり?」
「やっぱりよ、その酔い方は」
今も飲んでいるかな恵に告げるのだった。
「相当酷いから」
「いや、飲むとね」
「そうするとなの」
「止まらないからね、私」
「だからそれがよ」
「よくないの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「成海君に感謝しなさい」
「まあこうしたところも可愛いからな」
成海はそのかな恵を観つつ笑って述べた。
「いいんだけれどな」
「いいの」
「これはこれでな」
「お前凄い奴だな」
越智は成海のその言葉を聞いていささか驚いた顔で言った。
「普通酔った相手の介抱なんて女の子だってな」
「嫌か?」
「俺は嫌だからな」
それでというのだ。
「それで思ったんだよ」
「そうなんだな」
「けれどこの娘にはお前がいいかもな」
越智はかな恵を見てあらためて言った。
「お前みたいに優しくて器の大きな奴がな」
「俺背低いぞ」
「それと器は違うんだよ」
人としてのそれはというのだ。
「だったらこの娘これからも大事にしろよ」
「それは絶対にするよ」
「そうしろよ」
越智は成海に強い声で言った、そうしてだった。
ウイスキーのロックを一口飲んでそれから富美子とデユエットで歌いはじめた、合コンはまだ続いていた。
第十五話 完
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