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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その五
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自分達の妄想で楽しんでいるだけである。
……話を戻そう。というか何を書いているのか。
「負けたな、樹」
「ま、今回は勝ちを譲ったってことさ」
「物は言い様、だな」
そう言って柳哉を見る。何やらクラスメイトに熱心に話し掛けられているようだ。
「陸上部の勧誘だよ。一応とはいえ俺様に勝ったんだ。当然と言えば当然だね」
「確かにな。というかあちこちの運動部から引っ張りだこなんじゃないのか?」
「ま、本人には受ける気は無いみたいだけどね」
樹の言葉を証明するかのように柳哉がこちらに歩いて来た。勧誘していたクラスメイトは残念そうに肩を落としている。
「大変だったな」
「ある程度は予想してたがね」
そう言って肩を
竦
(
すく
)
める柳哉。
「お、リンちゃんが走るみたいだ。これは見逃せない」
トラックのもう半分を使って百メートル走のタイムを計っている女子の方に目をやると、ネリネともう一人の女子生徒がスタート地点で待機していた。計測は二人ずつ行うためだ。合図と共に二人がスタートする。初めのうちはほぼ互角だったものの途中から差が付き始め、ゴールした時にはネリネは三メートル近い差を付けられてしまっていた。
「あー、負けたか」
「まあ、元々勝敗を競うものじゃないしね」
ネリネは体があまり丈夫ではない。実際、今の計測でも、高校二年生女子の平均をかなり下回っている。と、柳哉が口を開いた。
「……何というか、アンバランスだな」
「確かに。あの身長であの巨乳は反則だね」
実際、ネリネが走っている間、男子生徒の視線はネリネの胸に釘づけだった。
「おい」
「いや、まあ確かにそうだが、そういう意味じゃなくてな」
「じゃあ、どういう意味なんだい?」
柳哉は笑って答えなかった。
* * * * * *
同時刻、プールにて。
デイジーは考えていた。
(リシアンサス様……)
どうすればリシアンサスと親しくなれるか。放送部に入ってもらえるか。案はいくつかある。
1:直接交渉……これは駄目だった。土見稟という邪魔が入ったためだ。しかもあんな姿を晒してしまった。敬愛する神姫リシアンサスの前で。しかも土見稟のあの対応。許せなかった。ある意味自業自得とはいえ、やはり乙女心は複雑ということだろう。
2:土見稟を介しての交渉……論外。というか何度も交渉のチャンスを潰されている。駄目だ。
3:リシアンサスの周囲の女子生徒を介しての交渉……ネリネはリシアンサスにとって親友と呼べる相手だが、自分の立場上魔族の、しかも王女に借りを作るのはいただけない。芙蓉楓は土見稟と
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