新しい使い魔
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。保登心愛が、眠そうな目をこすり、大声で挨拶した。
「おはよう。ココアちゃん。珍しく早起きだね」
「ふっふーん。この春休み中は、お姉ちゃんみたいに、イケてるお姉さんになるんだからね! もう、チノちゃんに寝坊助なんて言われないようにするんだよ!」
「へ、へえ……」
ハルトは大急ぎで食べ終わるココアを横目に、ホールを見やる。
キッチンから覗けるその場所だが、すでに可奈美の姿はない。
「……あー、ココアちゃん。もしかして可奈美ちゃん、もう出ていった?」
「出て行ってちょっと経つかな? でも、今急げば追いつけるかもよ?」
「あー……まあ、いっか」
新しい使い魔の仕事デビューだったが、可奈美に任せるとしようと考えなおした。そう決めると、ハルトはトーストから焼けたパンを取り出す。卵を割り、焼いたトーストで挟み、更に乗せた。
「ココアちゃん。パンもらうよ」
「ほいほーい。……あれ? ハルトさん、昨日もサンドイッチじゃなかった?」
「あーそうだったっけ?」
ハルトは食器をココアの向かいの席に置きながら思い出す。
「ダメだよハルトさん。同じものばかり食べちゃ、体に悪いよ?」
「平気だよ。お姉様」
ハルトが「お姉様」と口にした途端、ココアが嬉しそうな悲鳴を上げた。
「お、お姉様……! やっぱり、いい響きだね!」
「お姉様、牛乳持ってきて」
「お姉様に任せなさい!」
「お姉様、あとお皿片付けて」
「お姉様に任せなさい!」
あれよあれよと、お姉様さえ付ければココアが躊躇いなくハルトの言うことを聞いてくれる。その内お姉様と言えば知らない人にも付いて行っちゃうんじゃないだろうかと心配になりながら、ハルトは「もういいよ」とココアを席に戻らせた。
「今日ラビットハウスお休みだよね? ココアちゃんは今日何するの?」
「もちろん! チノちゃんと一緒にお出かけだよ! ハルトさんも行く?」
「いくら何でもその場に俺が行くのはおかしいでしょ。可奈美ちゃんは?」
「可奈美ちゃんも、シフトが終わったら一緒に来るって言ってたよ。今は体を鍛えに行くって」
「ああ……」
それでハルトは思い出した。
「あれ? そういえばココアちゃんは?」
「ん? 私?」
「ココアちゃんも、今年の目標はガッチリ体を鍛えることって言ってなかった? もう三月になっちゃったけど、ココアちゃんが体を鍛えるところ見たことないなあって」
「……」
ハルトの言葉に、ココアの目から光が消えていく。
更なる彼女の追撃は、ハルトの背後からやってきた。
「その通りです。こんなことでは、モカさんに永遠に勝てませんよ」
それは、この喫茶店、ラビットハウスの店主の娘の声だった。
香風智乃。
小学
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