第四十四話 麦わら帽子を買いながらその十二
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「そうした場所なら何時でもね」
「麦わら帽子被れるわね」
「ええ、千葉県のそうした場所ならね」
「そうよね」
「あと漁業でもね」
「何時でも被れるわね」
「あちらでもね、けれど東京の街にいたら」
どうしてもというのだ。
「夏以外はね」
「そう被らないわね」
「都会だったら」
「夏限定になりやすいわ」
「そうよね」
こうしたことを話したのだった、二人で。
そうした話を終えると麦わら帽子は収めた、そのうえで一緒に新宿駅に入ると愛はこんなことを言った。
「この駅って慣れるまでが大変だって言うわね」
「東京以外の人からはね」
咲もそれはと頷いた。
「そう言うわね」
「こんな大きい駅ないって」
「東京駅はもっとね」
「東京はこんな駅が幾つもるかとか」
「品川駅も言われるわね」
「地下鉄もね」
こちらの話もした。
「迷路みたいとか」
「言われるでしょ」
「それ地方の人皆言うのよね」
「横浜の人達でもね」
「横浜もあんな複雑な地下鉄じゃないから」
「だからね」
その為にであるのだ。
「大坂の地下鉄も結構複雑らしいけれどね」
「駅も百あって」
「けれど東京はね」
「そんなものじゃないからね」
「駅も線も幾つもあって」
「それぞれが複雑に交差していてね」
「駅の構造もね」
これは駅による、大きくしかも複数の線が交差している駅は当然ながら極めて複雑な構造になっている。
「複雑で」
「迷路みたいってね」
「そう言われていてね」
「地方の人実際に迷いもするわね
「そうなのよね、慣れないとね」
さもないと、というのだ。
「実際に迷って」
「大変なことにもなるのよね」
「この新宿駅だってね」
「東京にずっといたらね」
「よく行き来するからね」
「ちょっと遊びに行ったら」
都内でそうしたならというのだ。
「お友達と行くことも多いしね」
「乗り換えで利用するしね」
「自然と何処にどの線があるかわかるけれどね」
「山手線とかね」
「それがね」
「地方の人だとね」
「わからないのよね、山手線だって」
今話に出たこれもというのだ、東京を一周しその中央部も通っている鉄道における東京の大動脈である。
「慣れないとね」
「大変みらいね」
「東京に生まれ育つと最初から触れてね」
「当たり前になるけれど」
「これがね」
最初からそうでないと、というのだ。
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