第四十四話 麦わら帽子を買いながらその十一
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「そうするわ」
「そうなのね」
「お互い買うものが見付かったし」
「よかったわね」
「これでね」
この帽子を被ってというのだ。
「夏の日差しを凌いでね」
「お洒落にもなるわね」
「麦わら帽子は夏向きよね」
「もう夏はね」
「これが最高のお洒落よね」
「ええ、じゃあお互いにね」
「それぞれの麦わら帽子を買って」
手に持っているそれをというのだ。
「被っていきましょう」
「それじゃあね」
二人で笑顔で話してだった。
そのうえで実際にその帽子を買ってだった。
百貨店の中だが被ってみた、すると愛は今の咲と自分の姿を百貨店の中のガラスから見て笑って話した。
「今の服装じゃね」
「麦わら帽子は似合わないわね」
「やっぱり夏よね」
「夏の服にね」
「麦わら帽子は似合うわね」
「そうよね」
咲も笑顔で頷いた。
「畑仕事ならどの季節でも似合いそうだけれど」
「農業の服ならね」
「けれどここ東京だし」
「そうはいかないわね」
「東京ってね」
咲はさらに話した。
「色々なお洒落が出来るけれど」
「都会だから」
「それも都会の中の都会よね」
「世界屈指の大都市よ」
「それじゃあね」
「そう、だったらね」
それならというのだ。
「麦わら帽子はね」
「夏用の服にしか似合わなくて」
「被るとしたら」
それならというのだ。
「夏よ」
「その季節だけね」
「そうなるわ」
「そうよね」
「農業はね」
愛はこうも言った。
「東京じゃね」
「する機会はね」
「どうしてもないわ」
「そうよね」
「ここ人口滅茶苦茶多いけれど」
俗に一千万都市と言われている、江戸時代の頃にはもう百万の人口を誇っていて世界一の都市であった。
「狭いからね」
「東京都ってそうなのよね」
「東京の街以外にも八王子とか町田とかあるけれど」
それでもというのだ。
「全部都会でしょ」
「そうよね」
「千葉県なら違うけれど」
東京の横にあるこの県はというのだ。
「畑も多いわ」
「あそこは街もあってね」
「千葉市とか柏市とかね」
「けれどね」
それと共になのだ。
「広いしね」
「田畑も多くて」
「農業もやってるでしょ」
「ララミー牧場もあるしね」
「だからね」
それでというのだ。
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