第二話 吸血鬼その十一
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十字は実に無表情にだ。また彼等に返したのだった。
「事実を言ってるだけだから」
「やっぱり手前死ねよ」
「もう容赦しねえからな」
彼等は画廊の中でそれぞれだった。その手にだ。
ナイフやら棒やらを出してきた。それを手にすぐに構える。
しかし今もだった。十字はだ。
その彼等、得物を出したその彼等にもだ。平然としてだ。
そのうえでだ。こう言って来たのだった。
「それでどうしたのかな」
「何っ。手前これ見えないのかよ」
「本当に殺されたいのかよ」
「殺す、ね」
その言葉を聞いてだ。急にだ。
十字の気配が変わった。これまでの淡々としたものにだ。
酷薄な、そうしたものを宿らせてだ。そのうえで彼等に応えたのだった。
「殺すのならやり方はあるよ」
「だから今からそうしてやろうか?」
「どうなんだよ、おい」
「だから。殺されたいのかな」
次第にだ。その黒い目にもだった。
酷薄な、その気配が光となってだ。そしてだった。
四人を見据えてきた。その目の光を受けるとだ。
四人は急にだ。威勢を止めてだ。急に大人しくなった。
それはまさに蛇に睨まれた蛙だった。その動かなくなった彼等にだ。十字は言うのだった。
「君達には帰ってもらうよ」
「くっ、帰れってのかよ」
「そう言うのかよ」
「そう。帰ってもらうよ」
こう告げたのである。
「それじゃあいいね」
「おい、馬鹿言うなよ」
「何言ってんだよ」
「いいね」
しかしだった。十字の言葉はだ。
その酷薄なものがさらに強くなりだ。そうして言ってきたのだった。
「帰ってもらうよ」
「・・・・・・ふん、そうかよ」
「それじゃあ帰ってやるよ」
「そうしてやるよ」
こう言ってだ。四人はだ。
何とか虚勢だけを見せようと努力しながらだ。そのうえでだ。
帰っていく。その彼等にも剣の眼差しを向けていた。しかしその表情は変わらない。
この日はこれで終わった。だが十字は次の日だ。
以前絡んできた三年の先輩達、その彼等のところに来て四人のことを話した。そのうえで彼等に対して四人がどういった連中か尋ねたのである。
先輩達は彼等の溜まり場、校舎の屋上で雑誌を読んだりして昼休みの休息の時を過ごしていた。彼等は十字を見てだ。まずはこう言ったのだった。
「あれっ、佐藤かよ」
「何でここに来たんだよ」
「はい、御聞きしたいことがありまして」
それでだとだ。屋上の端の方で敷きものを敷いてそこに座ってだべっている彼等に答えたのだった。
そしてそのうえでだ。先輩達に四人のことを話した。
その彼等の話を聞くとだ。先輩達は。
その顔を
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