第四百九十一話 迷宮カンパニーからその六
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「そうなった、そう考えるとな」
「やっぱりだね」
「二ノ宮さんは戦闘向きじゃないね」
「戦う奴は他にいる」
こうも言うのだった。
「ここはその連中に任せる方がいいか」
「それもやり方だ」
アランはそれをよしとした。
「戦闘要員がいるならだ」
「そいつ等に戦闘を任せるべきだな」
「そうだ、そして貴方は」
「俺はか」
「貴方が得意なことでだ」
「あいつ等と対せばいいな」
「私はそう思う」
「ならそうする、うちの一番の戦力がいるが」
「それは私?」
ピンクの長い髪の少女が来た、服の下から鱗が見えており角もある。明らかに人間以外の種族である。
「戦力というと」
「そうだ、お前だ」
二ノ宮は少女にその通りだと答えた。
「お前がだ」
「一番の戦力」
「そしてお前が戦うにはだ」
それにはというのだ。
「大量の食いものが必要だしな」
「今もお腹減った」
少女はこう言った。
「何か食わせろ」
「ああ、それだったらこれ食えよ」
ユルセンが大量のご飯や和菓子を出してきた。
「おっさんの晩飯と蓄えているお菓子だ」
「じゃあいただく」
「そうしろよ、それでお前誰だ」
「リム」
少女は名乗った。
「宜しく」
「わかった、リムだな」
「そう、それでそれを今から」
「ああ、遠慮せず食えよ」
「そうする」
「待て、わしの飯とお菓子だぞ」
仙人はユルセンとリムのやり取りに怒って突っ込みを入れた。
「それを簡単に人にやるな」
「いいだろ、そんなの」
ユルセンは怒る仙人に冷酷なまでに冷静に返した。
「どうせなくなってもおっさんしか困らないしな」
「わしが困る」
「そんなの我慢しろよ」
「あれはわしの今日のおやつだぞ」
「あれだけ今日で食うのかよ」
「そうだ、わしは今日はおやつ抜きか」
「普通に一月分あるだろ」
「わしは食欲旺盛なのだ」
仙人は強い声で答えた。
「だから食うのは」
「本当に穀潰しだな」
「今度はそう言うか」
「実際に食っちゃ寝だからそうだろ」
「本当に何も仕事しないしね」
天空寺もこう言った。
「仙人さんって」
「そうなのよね、物凄く食べて凄いいびきで寝てばかりで」
アカリも言う。
「食費は仙人さんが工面してるからいいけれど」
「もういるだけでね」
「何もしないよね」
「ええ、お寺で一番ね」
「働かないね」
「そうだよね」
「つまりこの寺のニートだな」
ユルセンははっきりと言った。
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