第四百九十一話 迷宮カンパニーからその四
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「鋭いわね、この人」
「かなり切れるな」
「仙人さんをすぐに見破るなんてね」
「人を見る目もあるな」
「待て、わしの何処が胡散臭い」
仙人自身は怒って抗議した。
「これでも誠心誠意だな」
「おう、おっさんのことは気にするな」
ユルセンは仙人を無視して二ノ宮に話した。
「実際に胡散臭いからな」
「そうだな」
「もう何も出来なくてやったら迷惑かけまくりでな」
「相手にしたら駄目だな」
「そうだ、わかってるじゃねえか」
「誰にネオニートを目指して実現して今は社長になってない」
それだけのことをしてきたからだというのだ。
「人を見る目はあるからな」
「それでだな」
「この中でこのおっさんだけは駄目だ」
仙人自身を指差して言い切った。
「信じたら馬鹿を見る」
「その通りだ、それで他の奴はだな」
「信じる」
「そうか、しかしそう言うあんたもあれだな」
ユルセンは今度は二ノ宮自身に言った。
「実は口八丁手八丁で人を騙してきただろ」
「わかるか」
「隠さねえな」
「それが社長の救いなんだよ」
小柄なゴブリンの中年男が出て来た、腹巻に作業用ズボンとシャツが似合っている。頭にはヘルメットがある。
「とんでもねえが人間としてな」
「堕ちきってはいないな」
「そうなんだよ」
こう深海に話しつつ場に来た。
「まだな」
「そしてそう言うあんたは」
「ああ、社員で昔は直接の上司だった」
ゴブリンは深海にこう名乗った。
「ゴブリン上司とでも覚えておいてくれ」
「わかった、ではな」
「ああ、それでうちの社長はな」
「人を利用してもか」
「囮にして逃げたり魔法のアイテムで操ってもな」
そうしたことをしてもというのだ。
「何でも未来じゃ魔王に寝返ったそうだが」
「最低だよね」
「聞いてる限りだと」
シブヤとナリタはゴブリン上司の話に実際にそう思った。
「人として」
「酷いね」
「ああ、酷いけれど人なんだよ」
ゴブリン上司は二人にこう返した。
「人としての一線は越えてないんだよ」
「だから借金も完済しています」
癖のある短い金髪で頭に一対の曲がった黒い角がある若い女である、着ているのはタイトミニのスーツである。
「我が社のそれも。そして今は普通に企業として契約しています」
「そうなのか」
「はい、借金も踏み倒しそうで」
女はアランに話した。
「これがです」
「ちゃんと払ったか」
「全額。あと私はファウ=バーハラといいます」
女も名乗った。
「前は二ノ宮さんの借金取り立て人でした」
「あの人は散々やってくれたがな」
その二ノ宮の言葉だ。
「今も何かあれば返せるか聞くしな」
「それが仕事なので」
「金は返す、あと俺は確かに人は利用する
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