暁 〜小説投稿サイト〜
冥王来訪
第二部 1978年
ミンスクへ
国都敗れる その2
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即座に、拳銃を握った右手を、少将が騎兵銃(カービン)の銃床で叩き付ける
拳銃が弾き飛ばされ、床に転がると、握っていた弾倉を放り投げ、一目散に逃げて行った
数度、銃声が響く
「おい、あの茶坊主は逃げたぞ」
小銃を構え、脇を向いた侭、外套姿のハイム少将が言った
 居並ぶ閣僚を前に、シュトラハヴィッツ少将は敬礼をする
国防大臣が挙手の礼で応じた後、彼に語り掛ける
「アルフレート、お前一人で来るものとばかり思っていたが……」
彼は不敵の笑みを浮かべる
「喧嘩は一人では出来ません。それに、これは国の面子(メンツ)に関わる問題です」
大臣は哄笑した
「じゃあ、ハイムを呼んだのも、確認の為か。そうであろう」
彼は、大臣の方を振り返る
「否定はしません」
「若い頃と変わらんな、お前は」
戯言を述べた後、大臣の表情は変わる
「脱出路は……」
「確保済みです」
議長が割り込んできた
「ヘリは如何した」
男は、空挺作戦を行おうとしていたヘリの動向を気に掛ける
自走対空機関砲(シルカ)を随伴させてきました」
彼等は困惑した
「どうやって……」
「61年10月の手法を参考にした迄です」
彼等は、同事件に置いて国際法を無視して国籍表示を外したT−34戦車33台を運用した手法を真似たのだ
男は、右手で持っていたタバコを素早く点けると、一言告げた
「ソ連の『(ひそみ)(なら)う』か」
再び深く吸い込む
「グズグズして居れんな。『ランプ館』から脱出するぞ」
『ランプ館』
男は、ベルリン市民が、宮殿内にある1001個のシャンデリアを揶揄した表現をあえて口にする
タバコを灰皿に投げ入れると、男達は足早にその場を後にした

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