暁 〜小説投稿サイト〜
冥王来訪
第二部 1978年
ミンスクへ
国都敗れる その2
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筋肉血管を含む周辺組織に広い体積で損傷を受ける為、治療が難しい
最新鋭の装備を持った特殊部隊は、空路、ベルリン市の共和国宮殿に向かった

 ほぼ時を同じくして、閣議に参加していた国防大臣の下に保安省の動向が伝えられる
人民軍情報部は、潜入させてた二重工作員よりシュミットの野望を入手していたのだ
 耳打ちしてきた従卒を送り返すと、彼は席より立ち上がって、会議室を後にする
彼の姿を確認する物はいたが、全員が閣議を優先してた
日本軍の超大型戦術機、ゼオライマーの出現
首都の混乱に拍車をかけた
 国防相は、電話のある一室に着く
周囲を確認すると、ドアを閉める
ダイヤルを回すと、受話器を持ち、通話開始を待つ
一分一秒が惜しい……
焦る気持ちでいると、相手先に繋がる
「此方、第一戦車軍団」
交換手への呼びかけの後、目的の人物への通話に切り替わる
手短に伝えると、電話を切った
彼は、足早に会議室へ戻った

 一報を受けた第一戦車軍団司令部は大童(おおわらわ)であった
しかも、運が悪い事に今日は土曜日
東ドイツではすでに週休二日制度が採用され、軍隊も例外ではなかった
急遽、基地内に居る人員で出撃体制を整える
 偶々、その場に居合わせたハイム少将は、シュトラハヴィッツ少将に問うた
同輩は、何処からか持ち出したシモノフ式・半自動装填(セミオート)騎兵銃(カービン)の手入れをしている
「貴様がそんな銃など持ち出してどうした」
ボルト・キャリアの動作を確認を続ける
「『兄貴』からの呼び出しがあった……」
銃の手入れを止め、彼の方を向く
同輩の話を聞いた彼は眉を動かす
「貴様も、昔と変わらんな。
今は同志大臣であろうよ。内輪で話す分には構わんが……」
彼は、面前の同輩にそう答えた
「お前も来てほしい」
同輩は、彼を誘った
「良かろう。体が鈍っていた所だ……」

 シュトラハヴィッツ少将は、勤務服の上から大外套を羽織る
ハイム少将と共に、BTR-70装甲車に乗り込む寸前、男が駆け寄ってくる
彼は、男の方を振り向く
「どうした」
男は、強化装備のハンニバル大尉だった
ハンニバル大尉は、敬礼をする
返礼の後、彼は問うた
「同志大尉、全機エンジンを温めて置け。
最悪、戦術機同士の戦闘に発展するかもしれん」
ハンニバル大尉は、力強く答える
「同志将軍、何時でも出撃準備は出来ています」
男の真剣な眼差しを見つめる
「気を付けて行け」
短く告げると、装甲車の扉を閉める
十数両の戦車隊は、ゆっくりと基地の門を出る
前照灯を煌々と付けると、夜半の道路を、最高速度で駆け抜けて行く

 ベルリン市上空に現れた複数の戦術機
市民は不安に思った。
深夜に為ろうと言う時刻で、戦術機を飛ばす事があ
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