第二部 1978年
ミンスクへ
国都敗れる その2
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前にして、シュミットの口から驚くべき計画が打ち明けられていた
「諸君等も驚嘆したであろう」
派閥の幹部達は、困惑を隠しきれていない
ある職員が、彼の言葉を復唱した
「この民主共和国に、核戦力を持ち込むとですと……」
周囲が騒がしくなる
「そうだ。秘密裏に、ソ連より譲受た核を配備し、防衛要塞を設置。
他に類のない軍事力を兼ね備え、この国を支配する権力を手に入れる」
顔を持ち上げた彼の色眼鏡に光が反射する
「その為に、密かにこの秘密部隊を集めた」
彼等の面前に、プロジェクターから4体の戦術機が映し出される
MiG-21バラライカ
迷彩塗装も無ければ、国籍表示、部隊を表す番号もない
灰色に塗り上げられた4機の戦術機は、全てが最新式の77式近接戦闘長刀を装備しており、突撃砲を3門兼ね備えてある
「我々は、持てる頭脳と力を駆使して、プロレタリア独裁の権威を永遠とさせるのだ」
シュミットは、内に秘めたる野望を口にし始める……
「今までは指導部を立ててきたが、今日を持って決別する」
幹部の一人が、真意を訪ねる
「どういうことでありましょうか。同志将軍」
彼は、派閥の領袖の地位を超えた事を言う
「現指導部の采配は、何れはプロレタリア独裁の権威の失墜に繋がる」
彼は、声を掛けた職員の方を向く
「この上は、私が総帥の地位に就き、この国を導く」
男達は、冷笑する
「すると、面白い……、いよいよ国盗りですな」
彼は、男達を窘める
「諸君らは、まず焦って事を仕損じるのは、避けねばなるまい」
冷笑した男は、彼に尋ねた
「手当たり次第に暴れ回れるとの、ご承認を得たと受け取っても良いのでしょうか」
正面を向くと、頷く
「早速、共和国宮殿を占拠し、党権力奪取の段取りを付ける」
急襲する別動隊
シュミットは、今回の混乱に乗じて権力奪取を図る
事前にKGBを通じて、ドイツ国内のソ連基地に戦力を隠匿
戦術機の他に、数台の新型回転翼機まで工面した
新型ヘリの正式名称は、『Mi-24』
ソ連空軍汎用ヘリコプター『Mi-8』を原型とし開発された、ソ連初の攻撃ヘリコプター
強力な武装で地上を制圧し、搭乗した歩兵部隊を展開
ヘリボーン任務を想定して開発された大型機体
NATOコードネーム「ハインド(Hind/雌鹿)」の異名を持つ回転翼機
彼は、灰色の勤務服より白色の大礼服に着替える
大型で連射可能な、ステーチキン式自動拳銃を握る
予備弾倉4本と共に、本体を包む木製ケースごと、懐中に仕舞う
彼と共に、ソ連軍の軍服を着た一団がAK-74を手に持ち、乗り込む
『74年式カラシニコフ自動小銃』
最新型の5.45x39mm弾
人体に命中した場合、射入口は小さいが、射出口が口径と比して大き
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