199 偽物の剣
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で皆を包めて移動させる事ができる。それで敵をかい潜ればよい。必要に応じて濃藤徳崇の剣で守りつつ青葉政美の水中移動する能力で邪魔な敵は奇襲せよ。それからだな、花沢咲菜・マリエル。お主の本の一種に『ジャックと豆の木』の話があるだろ?」
「え、ええ・・・」
「その豆の木の巨人の家に三河口健を封印するのだ。偽物の剣を用意してある事を直前まで知られてはよくないのでね」
「つまり、本部突入は健ちゃんとマリエルちゃんでやる訳ね」
「あとは祝津ゆりの指揮に任せよう」
「了解。マリエルちゃん、本を用意して」
「はい」
マリエルは本から豆を出した。それを地に投げると豆から芽が出て、急速に巨大化し、その天空にある家から巨人が出て降りてきた。
(こんなところで巨人を出して目立たんだろうか・・・)
三河口はそう懸念した。
「お呼びかな?ご主人」
「ええ、この人を貴方の家に匿わせて。必要な時にまた呼ぶわ。乱暴に扱わないでね」
「ああ、よかろう」
豆の木の巨人は三河口を掌に包みこんで家へと戻って行った。そして豆の木は縮んで元の豆に戻ってマリエルの本の中に戻った。
「あいつ、食われへんかな?」
鯉沢が冗談を言った
「こっちで作戦を潰してもしょうがないでしょ」
「それじゃ、奏子ちゃん、皆を羽衣に包んで行きましょう」
「ゆりさん、私は必要に応じて水中移動するよ」
「いいわよ」
「それでは、我々も盛大に援護する。気を付けて参るがよい!」
「はい」
皆は奏子の羽衣に包まれて海の中に入って行った。
かよ子達藤木救出班は目的地への方角へと進み直した。
(りえちゃん達、大丈夫かな・・・?杉山君、あのレーニンと同化してるから、凄い手強くなってる筈・・・)
「山田かよ子、杉山さとしと杯の所有者の事がどうしても気がかりなのか?」
石松が尋ねた。
「あ・・・、う、うん・・・」
「きっと何かあったら同行者も連絡を皆に寄こすであろう。今は彼女らの無事を祈るしかあるまい」
「そうだよね・・・」
かよ子はなぜか杉山にヤキモチを焼き始めていた。
剣奪還班は羽衣を使用して海中へと潜って戦争主義の世界の本部へと向かっていた。
「なあ、ここは気持ちワリいくらいの胸騒ぎがするけんのう」
「おそらく、クイーン・ベスの艦隊を撃墜しようとする連中だろうな」
北勢田が考察した。
「一応、私達も狙われている身よ。迎撃はしておくべきね」
その時、マリエルには何か戦闘が始まるような未来が見えていた。
「・・・もしかして、海上で戦闘が始まる。そんな予感がしたわ」
「予感?それも見聞の能力なん?」
光江が聞いた。
「ええ、私はなぜか次に人が何をしようとするのか頭から聞こえて見えるの・・・」
「どうやら、マリエルちゃんの見聞の
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