第二百四十二話 文献にあるものその十
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「量産は無理やろ」
「何でもな」
「特に強いモンが装備する位ならな」
「出来るか」
「けれど四十万の将兵の標準装備にするには」
それにはというのだ。
「どうしてもな」
「術がかかってるのは無理か」
「うちもそうしたいが」
美奈代は本音も述べた。
「しかしな」
「それでもな」
「現実はそうや」
「鋼鉄が限度か」
「予算面から言うてもな」
「わかった、じゃあ鋼鉄だ」
久志は完全に決めた。
「標準装備は」
「それでもかなりのものよ」
清音が言ってきた。
「やっぱりね」
「鋼鉄でもな」
「だからそうすべきよ」
「そうだよな」
「特に全軍がそうなら」
そこまでの装備ならというのだ。
「かなりの戦力アップになるわ、しかも訓練も規律も徹底していくでしょ」
「これまで以上にな」
「そうだったらね」
「軍はこれまでよりも遥かに強くなるか」
「これまでも装備もいい精兵だったけれど」
その彼等がというのだ、久志達は旗揚げの時から軍の質を整えそうして装備も常に気を付けて来たのだ。
「それがね」
「これまで以上にか」
「遥かにね」
「強くなるか」
「そうよ、だからね」
「それでか」
「鋼鉄の装備でもね」
これでもというのだ。
「いいと思うわ」
「じゃあそういうことでな」
「魔神の軍勢があったらどんなものかもわかっていないけれど」
「鋼鉄の装備にしてもか」
「少なくとも戦力アップにはなるから」
だからだというのだ。
「無駄じゃないわ」
「やらないよりやる方がましとも言うな」
「というか何もしないとゼロだけれど」
清音は久志に話した。
「何かしたら少なくとも一でしょ」
「そしてその一がだな」
「二にも三にもなっていってね」
そうしてというのだ。
「百にもなっていくから」
「やるべきだな」
「そう、何もしないよりね」
「有益ならな」
「やるべきよ」
「そういうことだな」
「勿論マイナスのことはしたら駄目よ」
その場合はというのだ。
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