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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その四
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俺がやったことに繋がる」

「楓を許さない、か?」

「ああ」

 楓を、楓の罪を、未来永劫許さない。そうすることで逆に楓を救う。何のこっちゃ、と言われるかもしれないが、罪を犯したのに何の罰も無いまま許される、というのは罪の大きさにもよるが意外にきつく、しかも長期に(わた)って続いたりもする。楓のような良心的な“いい子”ならば特に。何らかの罰を受けることで、心が軽くなった経験は無いだろうか? 罰というものにはそういう効果もある。楓が自ら引いた境界線を自ら越えることができたのも、それがあったからと言えるのではないだろうか。

「楓が飛び出していったのも、その辺りが上手く理解できていなかったからだろうな」

 そして光陽公園に辿り着き、落ち着いて考えてようやくそれに気付いた、ということだろう。

「なあ柳。もしかして桜が光陽公園にいたのも……」

「ああ、偶然じゃない。桜にはそのためにいつでも出られるように自宅で待機してもらってた」

 そして楓が飛び出していってすぐに連絡をした、というわけだ。ちなみに楓がどこに向かっているかは魔法による探知を利用して知った。そして楓は桜と、次いで稟と合流。その後、芙蓉家の庭で再度、稟と“約束”を交わした、というわけだ。

「とまあ、こんな所だ」

「なあ、柳」

「ん?」

 口を開いたが、声が出てこない。あれほどの察しの良さ、勘の良さに、さらにこれほどまでに用意周到な計画を立てるだけの頭脳。自分達の知らない間にこの幼馴染に何があったのか。それを聞きたかったが、何故か聞いてはいけないように思えてしまい、出てきたのはこんな台詞だった。

「……楓に対して抱いていた感情っていうのは?」

「……ああ、それはきっと……」

 ――同族嫌悪――

「え?」

「俺も以前、楓と似たような事をやっちまった、って事」

 そう言って柳哉は立ち上がる。

「そろそろ夕飯の支度も終わってるんじゃないか? それに、あんまり遅くなると楓が心配するだろう」

「あ、ああ」

 確かに、既に空は暗くなり始めている。

「それに、下手をすればあのお二方が動くかもしれないぞ? 今やお前は頭に超がつくほどのV・I・Pなんだからな」

「よし、帰ろう」

 即決。あの二人なら充分あり得る。

「おう。それじゃ、また明日な」

「ああ、また明日」

 挨拶を交わしてそれぞれ帰宅する。プリムラの事を聞き忘れていたことに稟が気付いたのは、就寝前にプリムラが稟のベッドにもぐりこんできた時だった。 
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