番外編 彼らを真に救う者達
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に! 外の人間達からすれば、私達もシェードの怪人と同類なのですッ! どこに行ってもそうとしか見られないのなら……いっそ、本当にシェードに入ってしまうしか、ないじゃないですかッ!」
「……」
その発言内容に動揺するAPは、暫し逡巡した後、意を決したように顔を上げる。それは明らかに、敵対者に対する姿勢ではなかった。
「じゃあ……こんなこと、今すぐにでも止めるんだ。今からでも遅くはない! 怪人であることを拒みたい気持ちが少しでもあるのなら、お前達はまだ人間だ!」
「何を……何を言うのですかッ! 今さら……今さらそんな話、信じられるはずがないでしょうッ!」
「頼む、信じてくれ! 俺の仲間に、改造人間を生身に戻せる女の子が――ぐッ!?」
しかしそんな姿勢を見せることこそが、最大の挑発になってしまったのである。手を差し伸べようとしたAPに返って来たのは、やぶれかぶれの触手攻撃だった。
その全てを的確に受け流しながらも、予期せぬ反撃を受けたAPは思わず後ずさってしまう。
「そんな世迷言を抜かしてまで……私達を愚弄するのですか! そんなに私達が、惨めに見えるのですかァッ!」
頼れない人々から距離を置きたいがために、怪人になろうとしていたゴールドフィロキセラ達にとって。今さら、差し伸べられたその手を取ることは叶わなかったのである。
よりによって、その相手が人類の希望とされる仮面ライダーだったのだから。なおさら、受け入れるわけにはいかなかったのだ。
怪人にならなければ生き延びることはできない。その結論に、2人の同胞を巻き込んで来たのだから。
「ダメだ天峯、こいつには到底敵わねぇ! ここは一旦退くぞッ!」
「死んで花実が咲くものか! そうだろう!? 天峯ッ!」
「蛮児、禍継……そうですね。やはり私達は、シェードになど与するべきではありませんでした。私達が生きる道は、別にあるッ!」
力任せに触手を振るい続ける彼を見かねてか、シルバーフィロキセラとブロンズフィロキセラは彼の両脇を抑え、引き摺るように撤退を促していく。そんな彼らの説得でようやく我に返ったゴールドフィロキセラは、冷静さを取り戻すと仲間達と共に、足早に廃工場から逃げ去ってしまった。
「あッ……!? ま、待ってくれ! 話はまだ……!」
「アビビィッ!? おいちょ、待てよコラお前らァアッ! この土壇場で逃げるとかなんでそんな酷いことすんのォォッ!?」
子供達とは真逆の方向に逃げ去ったことや、シオマネキングを躊躇いなく置き去りにしていく様子も、彼らの言葉に信憑性を与えている。やはり彼らはシェードの改造人間ではなかったのだと、APは改めて確信していた。
彼の後ろでは部下達に逃げられたシオマネキングが、自身の非道さを棚に上げて喚き散らしている
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