番外編 彼らを真に救う者達
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・・》だった。しかし彼らに「最初の任務」として突き付けられたのは、シオマネキングと共に子供達を殺せという内容だったのだ。
警察や軍隊を相手に戦うのならまだしも、泣いて怯えて逃げ惑う子供を殺すなど、この時の彼らには出来るはずもなかったのである。
「……も、申し訳ありません、シオマネキング様。しかし、私達はッ……!」
「アビィ……もういい。だったら特別に、この俺様が『お手本』を見せてやるぜぇ。てめぇら、目ん玉ひん剥いてよぉーく見てなァッ! ちょろちょろ逃げてるガキってのはなァ、こうやって殺すんだよォッ!」
そんな彼らを蹴り付けながら、シオマネキングは不遜な鳴き声を漏らすと。逃げ場を失い、廃工場の隅で震えている子供達に向けて――大量の泡を噴き出そうとしていた。
無論、それはただの泡ではない。触れた箇所から発火し、対象を焼き尽くすシオマネキングの「必殺技」なのだ。生身の人間が浴びれば、骨も残さず消し炭になる威力がある。
「アビアビアビィッ! さぁ、跡形もなく消え去っちまいなァ! 今まで俺様に消されてきた、バカ共のようによォッ!」
「わ、わぁあぁあッ! だ、誰か……誰かぁあっ!」
当然、子供達がそんなものを浴びせられたらひとたまりもない。今日も彼の手で、不幸な犠牲者が生まれてしまう。
この場にいる誰もが、そんな未来を夢想してしまった――その時。
「待てぇいッ!」
「……アビィッ!?」
けたたましい怒号が廃工場に響き渡り、シオマネキングは思わず泡の発射を中断してしまう。後光のように外の日差しを浴びながら、2人の戦士がこの廃工場へと駆け込んで来たのは、その直後であった。
この「Gの世界」においては「1号」に相当する、仮面ライダーG。そして、「2号」に当たる仮面ライダーAP。
「き、貴様らッ……がはぁッ!?」
「ぐはぁあッ!」
「トォ、トォッ!」
「トゥッ!」
彼らという「ダブルライダー」は見張りの戦闘員達を瞬く間に薙ぎ倒し、肩を揃えてここへ駆け付けて来たのだ。
その勇姿を目の当たりにしたシオマネキングは悍ましい者を見るような目で悲鳴を上げ、子供達は歓声を上げる。
「アビアビィッ!? か、かか……仮面ライダー!?」
「ラ、ライダーだぁ!」
「わぁ……ライダーが来てくれたんだぁっ!」
「あれが、仮面ライダー……!?」
彼らを初めて目にした3体のフィロキセラ怪人達も、咄嗟に立ち上がり臨戦体制に突入する。人間の自由と平和を守る希望の戦士にして、シェードの天敵。その生ける伝説達が、ついに目の前に現れたのだから。
「君達、よく頑張ったな! 後は僕達に任せてくれ!」
「さぁ、早く逃げるんだ! ここは俺達が引き受けるッ!」
「う、うんっ!」
「ライダ
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