暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーAP
最終話 平和である証
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、七色の虹が掛かっていた。

 ◆

 ――その後。明智天峯をはじめとするノバシェードのトップ3は正式に逮捕され、数々のテロ行為を追及していく裁判が開始された。

 ノバシェードが創設されるに至った経緯に関する情状酌量もあったが、最終的には世論と検察側が切望した通りに死刑判決が下された。しかし宣告を受けた男達の表情は、まるで憑き物が落ちたかのように晴れやかであったという。
 改造人間という「怪物」として、人間らしい「死」すら許されなかった彼らは。ようやく、人としての一生を終えることが出来るのだから。

 一方、司令塔である天峯達を失った海外のノバシェードは、急速に勢いを失い始めていた。その好機に乗じて彼らを全員捕縛するべく、テスト装着者達はスーツを修繕した後、日本を離れ世界各地を転戦した。
 アメリカ、中国、ロシアのような大国だけでなく。アジアやヨーロッパの各国に、南米やアフリカの各地、さらにはオーストラリアに至るまで。ありとあらゆる国に巣食うノバシェードを撲滅するべく、新世代の仮面ライダー達は海を越え、全世界を駆け巡ったのである。

 それから約2年後の2021年には、ついにノバシェードが完全に壊滅し、テスト装着者達もその任を解かれた。2022年現在の彼らは一介の警察官として、あるいは1人の人間として、それぞれの日常を過ごしている。

 ノバシェードの壊滅という大役を果たした彼らのスーツは、その頃にはいずれも修繕不可能とされるほどにまで損耗しており、ほどなくして「解体」が決定された。今はすでに、マス・ライダーをベースとする制式量産機の部品として再利用される形で、この世から消滅している。
 改造人間の犯罪に対処し、無辜の人々を守る仮面の戦士は、やがて普遍的な存在として社会に浸透し。「仮面ライダー」と呼ばれる英雄像は、遠い過去の伝説として扱われるようになっていた。

 さらに天峯達の逮捕を契機に、長らく見過ごされていた改造被験者達の窮状が改めてクローズアップされるようになり。無効化手術を推し進める大々的な動きが、全世界を席巻し始めていた。
 その世論の動きが功を奏し、2022年現在においては全被験者の95%が処置済みとなっている。過去には改造人間として差別されていた者達も、職や家庭を得られる社会。そんな未来はすでに、夢物語ではなくなっているのだ。

 この世界にはもう、「仮面ライダー」も「怪人」もいない。しかし、それでいいのだろう。仮面ライダーがいない景色は、世界が平和である証なのだから。

 ◆

「……ふふっ。顎部分(クラッシャー)を着脱出来るようにして、戦闘中でもカップ麺が食べられるようになったって……何よそれ。芦屋さんったら、相変わらず変な機能ばっかり付けたがるんだから」

 ――そして、あの戦いの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ