第20話 人間の自由と、平和のために
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イダーキックをもう一度発動出来る状態にスーツを調整するしかない。遥花に向けて放った1発ほどの威力はもう出せないが、ZEGUN達を倒すだけならその程度でも事足りる。
その可能性に賭けたマティーニは、傷だらけのベルトに手を伸ばし、キックの威力を調整しようとする。
「ならば……試してみるかい!? 僕達の底力が、この程度のものかどうかッ!」
「……ッ!」
たったそれだけの僅かな「隙」が、決死の反撃を許すことになるのだった。調整に気を取られていたマティーニがハッと顔を上げた時には、すでにZEGUN達が最後の総攻撃に向けて動き出していたのである。
「ぬぅううッ……! とぉッ!」
右足に全ての力を込めたN/G-1は、眩い輝きを纏うその足で助走を付けながら、マティーニ目掛けて疾走していく。地を蹴り跳び上がった彼の右足から、渾身の「G-1キック」が放たれたのはその直後だった。
「おりゃあぁああッ!」
「ぐぉお、ぁあッ!」
咄嗟に両腕を×字に組んで受け止めたマティーニは、衝撃のあまり後方に吹き飛んでしまう。そんな彼に追撃を仕掛けるべく、タキオンが動き出していた。
「クロックアップ……!」
『CLOCK UP!』
N/G-1に続くように、タキオンもベルトの起動スイッチに触れて「クロックアップ」を発動させていく。
タキオン粒子を利用したその高速移動は、20カウントしか持たない。彼は残されたその僅かな時間を全て、必殺の一撃を放つための「チャージ」に費やしていた。
「俺達の覚悟……この凍てついた時の中で、思い知れ! 天峯ッ!」
時が止まったかのような疾さで、G-1キックの威力に吹き飛ばされたマティーニに追いついたタキオンは、彼の背後に回りこみ回し蹴りの体勢に入る。
『RIDER KICK!』
「ライダー……キック! はぁぁあッ!」
そして、クロックアップが終了した瞬間。タキオン粒子を集中させた右足を振るい、最大火力のライダーキックを放つのだった。
背後から思わぬ不意打ちを受けたマティーニは、回避も防御も叶わぬまま前方に蹴り飛ばされてしまう。
「うぐぁあッ!? バカな、いつの間に後ろへ……ハッ!?」
「さすがは我が研究チームの一員だ! 主任のニーズというものを、よく分かっているッ!」
さらに。彼が吹き飛ばされた先ではすでに、「必殺技」の発動体勢を整えたZEGUNが待ち構えていた。
地を蹴って跳び上がったZEGUNが、ベルト横の後ろ側にあるカード挿入口に発動キーとなる「アビリティカード」を差し込んだ瞬間。彼の右足に、青い稲妻を放つエネルギーが凝縮されていく。
「おぉおおーッ!」
「ぐわぁぁあーッ!」
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