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仮面ライダーAP
第18話 曰く付きの男達
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された後、隷の元でライダープロジェクトに協力していた彼は、人間の強さを知った怪人の1人としてマティーニに「忠告」していた。
 マティーニの足元で気絶している遥花を見下ろし、苦虫を噛み潰したような表情でかつての上司を見据える駿は、その眼に燃ゆる闘志を宿している。亡き妹の面影を持つ遥花だけは、殺させまいと。

遊戯(ゲゲル)にも劣るお前の癇癪を、これ以上放っておくわけには行かんのだ。俺達のような人ならざる者達が、それでもこの世界で生きていくためにはな……!」
「ゲゲル……19年前に初めて存在が確認された古代の戦闘種族『グロンギ』の言葉ですね。彼らは当時の警察が開発した『神経断裂弾』によって全滅したはずですが……まさかあなたは、その生き残りであると?」
人間(リント)の戦士を侮るということは即ち、彼らに敗れた俺達も愚弄している……ということだ。グロンギの誇りを汚す者共を制するためならば、俺は実験動物(モルモット)にも成り下がる」
「ほほう……面白い。他の連中を全滅させた暁には、我々ノバシェードが引き取って差し上げましょう。グロンギの肉体、一度解剖して見たかったのですよ」

 2000年に初めて発見された、古代の戦闘種族「グロンギ」。その唯一の生き残りであるズ・ガルバ・ジは、人間の姿でマティーニの前に現れていた。彼も駿と同じ「怪人」に分類される身でありながら、仮面ライダーに与する立場としてこの場に立っているのだ。
 隷の研究開発に従事することを条件に抹殺から免れている彼は、グロンギとしての誇りに賭けてマティーニを倒さんと意気込んでいる。そんな彼の闘志を目にしてもなお、ノバシェードの首魁は彼のことを実験動物としか見ていない。

「べらべらと喋るばかりで、そちらから仕掛けて来ないところを見るに。どうやらすでに、エネルギーを温存しなければならない状態にあるようだな。遥花お嬢様達との戦いで、かなり消耗していると見える」
「……だからどうだと言うのです。まさか、今の私ならあなた達でも仕留められると?」

 隷をはじめとする、研究チーム出身の新世代仮面ライダー。その立場故、スーツの扱いに最も長けている彼ら3人は、各々の「変身アイテム」を同時に取り出していた。

「ここで何を語ろうと、実現出来ねば所詮は机上の空論だ。……僕達の成果物がその結果に届くか否かは、今に分かる! 森里君、ガルバ君! 見せてあげようじゃないか!」
「無駄口を叩くな、芦屋。そんなこと、今さら言われるまでもない……!」
「俺達は初めから、そのつもりでここに来たのだからなッ!」

 先頭に立つ隷がベルトを装着し、駿が試作型ライダーブレスを袖から出した時。ガルバもアタッシュケースを内側から変形させ、身に纏う強化外骨格を形成させていく。
 彼らの変身が始まったのは、
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