第16話 若獅子達の矜持
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
絶対的な疾さと破壊力を以て、ボクサー達を瞬く間に打ち倒した仮面ライダーマティーニ。その脅威を前にしている遥花の窮地にGチェイサーで駆け付けて来たのは、2人の新人警官だった。
「南警部、一二五巡査部長ッ! こんなところで寝てる場合じゃないですよ! しっかりしてくださいッ!」
「日高、おい、日高ッ! ……くそッ! 遥花さんは動けますか!?」
「私は大丈夫……! あなた達は早く、義男さん達を安全なところへ!」
まだ1年目の新米でありながら、試作機のテスト装着者に選ばれるほどの素養を持っている、天塚春幸と山口梶。彼らは同期のtype-000こと栄治や、警察学校時代の教官だったボクサーこと義男の負傷に強く胸を痛めている。
「……天塚!」
「あぁ!」
そんな中でも自分を気遣おうとしている新人達を死なせまいと、ライダーマンGはパワーアームの右腕を構え、マティーニに立ち向かおうとしていた。彼女のそんな勇姿を目にした春幸と梶は、互いに頷き合うと一斉に立ち上がり、ライダーマンGを庇うように前に立つ。
「……え? 天塚さん、山口さん! あなた達だけじゃ危険過ぎるわ! 私だって少しは戦えるんだから、無理をしないでッ!」
「無理でもなんでも、どの道あなた独りに戦わせているようじゃあ、俺達は警察官失格ですよ!」
「俺達だって、伊達に南警部にシゴかれてきたわけじゃありませんからね……!」
仮面ライダーボクサーこと南義男でさえ敵わなかったマティーニの力に、元教え子の2人が対抗出来る望みは薄い。それを頭で理解していながらも、彼らは弱きを助け強きを挫く警察官として、引き下がるわけには行かなかったのである。
少なくとも義男をはじめとするテスト装着者達は皆、遥花の救援を目的に動いて来たのだから。
「……このスーツでも、出来ることはあるはずだ。それを証明するためにここに来た以上、俺は逃げるわけには行かないんです!」
梶はすでに、「Masked Rider Mass Product type Test edition」――通称「マス・ライダー」のスーツを装着している。
これは数ある試作機の中で最も、生産性、生産コスト、整備性等を追求した「万人向け」のスーツなのだ。新人警官の梶でも難なく運用出来ている現状に、その成果が現れている。
――「ライダープロジェクト」とも呼ばれる、番場惣太主導による新型強化外骨格開発計画。その計画に干渉・参入した勢力が有していた技術は数多の高性能試作機を生み出したのだが、それらはいずれも装着者を選ぶピーキーな仕様ばかりであり、いわゆる「量産型スーツ」のモデルとし
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ