第13話 女性の敵
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の、決定的な『隙』さえ作れればなッ!」
これまで彼女達が付けて来た傷は、生体装甲の先にある明智天峯の体内に、バイオナノマシンを注ぎ込むための布石だったのである。その効果によって身動きが取れなくなったゴールドフィロキセラ手がけて、EXは高速で縦に回転しながら、踵落としの体勢に入ろうとしていた。
「はぁあぁあーッ!」
「うぐぅ、あッ……!」
踵にも備わっている鋭利な刃で、上段から袈裟斬りにする「ヘルスラッシュ」。その一閃は金色の生体装甲を、まるでバターのように斬り裂いてしまうのだった。
2人の女刑事による、警察官としての誇りを賭けた必殺技。それらを同時に浴びたゴールドフィロキセラは、あまりのダメージについに膝を付いていた。
「……明智天峯、君の癇癪に付き合う時間もこれで終わりだ。さぁ、大人しく署までご同行願おうか」
「これ以上痛い目に遭いたくなければ、あなたもそろそろ大人になることね」
これほどのダメージを負ったとなれば、さしものゴールドフィロキセラも戦闘の続行は不可能だろう。そう判断したEXとヴェノーラは、膝を付いている彼を冷ややかに見下ろしながら、降伏を促している。
「……ふっ、『大人』ですか。あなた達のような詰めの甘い人種を『大人』と定義されるのであれば……この国が7年間も旧シェードに翻弄されていたのも、当然のことだったのでしょう」
だが、金色の怪人はそんな彼女達を嘲笑いながら。自分を見下している女刑事達に、侮蔑の視線を送るのだった。
「なんだと……ぐぁッ!?」
「きゃあッ!?」
その視線と嘲笑に、2人の女刑事が仮面の下で眉を吊り上げた瞬間。
突如足元から地面を突き破り、飛び出して来た触手によって、彼女達はその首を締め上げられてしまうのだった。ゴールドフィロキセラは膝を付いた姿勢のまま両腕の触手を地中に潜らせ、彼女達の足元に忍ばせていたのである。
「あっ、うぁあッ!」
「くぅっ、あぁうッ!」
首に続き、手足も触手に絡め取られてしまった女刑事達は、抵抗する術を失ったまま宙吊りにされてしまう。彼女達の敗北を示すかのように、ヴェノーラの蛇腹剣が持ち主の手を離れ、地面に突き刺さっていた。
触手による締め上げに悶絶しながらも、仮面の下で驚愕の表情を浮かべているEXとヴェノーラ。そんな彼女達を仰ぐゴールドフィロキセラは、所詮生身の人間などこんなものだ、と言わんばかりに冷たい笑みを溢している。
「形勢逆転ですね。……気分は如何です? 自分達が見下していた相手に、良いように囚われた気分は」
「ぐぅ、うッ……も、もう動けるのか……!?」
「私のナノマシンが、こんなに早く克服されるなんてッ……!」
「……確かに、この私の動きを一瞬でも止めたあなたのナノマシンは、かなり
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