暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーAP
第11話 好きにしやがれ
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「おおおぉおッ!」
「はあぁぁぁあッ!」

 至近距離でのインファイトに特化している仮面ライダーギムレット。その暴君と真っ向から殴り合えるUSAを中心とする「第2陣」の戦いは、一瞬の油断も許されない装甲の削り合いであった。
 ライトブルーカラーの「ルパンガンナー」を想起させる「ダイヤガンナー」。そのエネルギー銃での援護射撃に回っているGNドライブのサポートを受けながら、USAは先陣を切るようにギムレットと拳をぶつけ合っている。さらに彼の攻撃の「隙」を埋めるように、スピードに秀でたターボが牽制の拳打を放っていた。

 ダイヤガンナーでの射撃もターボの打撃も、ギムレットの装甲を打ち砕く決定には至らない。それでも彼らの攻撃により生まれる「隙」が、高い攻撃力を誇るUSAに絶好のチャンスを与え続けているのだ。

「速攻だ……! 速攻でケリを付けるッ!」
「USAの活動停止まで、残り50秒……! 正信、ターボの回転率を高めたまえ! スーツが暴発する、ギリギリまでッ!」
「もうやってますよッ! 例え暴発したって、俺は絶対に止まりません! こいつを倒すまではァッ!」

 唯一ギムレットとパワーで張り合えるUSAは、この中で最も稼働時間が短い。そんな彼が力尽きる前に勝負を決めるには、少ないリソースを「防御」に割かせないようにする必要がある。持てる全ての力を「攻撃」にのみ注がなければ、USA達に勝ち目はないのだから。

「チィッ、鬱陶しい奴らだぜ……ぐおッ!?」
「その言葉、我々の奮戦を称える賞賛として受け取ろう! 正信、共に決めようぞッ!」
「了解ッ!」

 USAとターボを同時に相手しながら、GNドライブの援護射撃も片腕で跳ね除ける。そんな離れ業を繰り返しているギムレットにも、勝利に繋がる「隙」は必ずあるはず。
 その可能性に賭けたGNドライブは、USAのパンチがギムレットの鳩尾に入った瞬間、ダイヤガンナーを腰に仕舞いながら地を蹴り宙に舞い上がる。ターボもギムレットが突き出して来た拳の上に飛び乗り、「必殺技」の体勢に入っていた。

「我が執念の一撃、受け取ってくれたまえッ!」
「先輩の無念は、俺が晴らすッ!」

 ダイヤモンドの輝きを纏い、高速回転しながらドロップキックを放つ「ブリリアントドロップ」。足裏に備わるエンジンの出力を最大限に高め、回し蹴りを打ち込む「ストライクターボ」。
 その一撃に全てのエネルギーを注ぎ込んだ彼らの覚悟が、ギムレットの顔面に炸裂する。白銀の仮面に亀裂が走ったのは、その直後だった。

「ぐおぉおッ! こ、の……野郎共がァアッ!」
「がはぁあッ!」
「うぁああッ!」
「幸路、正信ッ!」

 僅か一瞬でも、意識が飛ぶほどの衝撃。それを自分に与えたのが、所詮は生身と侮っていた人間達だという
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ