暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーAP
第10話 並び立つ猛者達
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
めている。そのシルエットは「仮面ライダーG3」に近しく、アメコミヒーローさながらのマッシブかつヒロイックなラインを描いていた。

「……やめときな。お前みたいな乱暴者がタイプな女なんざ、どこを探したって見つかりはしねぇよ」
「あァ? ……なんだァ、てめェ」

 在日米軍から出向してきた、ジャック・ハルパニア大尉こと「仮面ライダーUSA(ユナイテッドステイツ)」。アメリカ陸軍での制式採用が検討されている最新式強化外骨格のテストを任されていた彼は、稼働時間の試験も兼ねて、この場に参戦して来たのである。
 そんな彼に「楽しみ」を邪魔されたギムレットは、苛立ちを露わに拳を振るう。だが、その攻撃は彼の掌で容易く受け止められてしまうのだった。

「なにィ……?」
「このスーツは高出力と引き換えに、とにかく燃費が悪くてな。……悪いが、お前に女性の扱いを説く時間も惜しいんだ」

 彼のスーツは、仮面ライダーΛ−Dの「オーバーロード」にも匹敵する高出力を常時(・・)発動している。その力はもはや、正真正銘の改造人間にも全く見劣りしていない。USAが反撃の拳を放った瞬間、咄嗟に防御に転じたギムレットは、衝撃のあまり大きく後退してしまう。

「……なので。お前には品のないお前のままで、お縄についてもらう」
「ハッ、笑わせんな。……殺るか殺られるかって世界に、品のイイ奴なんざいるものかよ」

 その威力に、仮面の下で冷や汗をかきながらも。ギムレットは不敵に鼻を鳴らし、USAと真っ向から睨み合う。こいつだけは、真っ先に潰さねばならないのだと認識を改めて。

「それは違うな、上杉蛮児! いつ如何なる状況であろうとも、品位というものを忘れてはならない! それが『人間』というものだよ!」
「あ、あァ……!?」

 そこへ、さらにもう1台のGドロンが駆け付けて来る。そこから颯爽と飛び出してきた1人の青年は、爽やかな笑顔でギムレットの言葉を否定していた。
 大富豪の御曹司でありながら、刑事でもある上福沢幸路(かみふくざわゆきじ)。数多のライダー開発計画に出資して来た彼自身も、1人の戦士としてこの場に駆け付けて来たのだ。

「……遅いぞ、幸路(ゆきじ)。市民を守る警察官たるもの、巧遅より拙速だろう?」
「いやぁ済まないね、ジャック大尉! スーツの調整がようやく終わったのだよ。この遅れは、これからの働きで取り戻させて貰おうか」

 アメリカで開発されたUSAのスーツを含む、警視庁以外での開発計画にも莫大な資金を投じている幸路。そんな親友に軽口を叩いているUSAも、仮面の下では頼もしい援軍の到来に頬を緩めていた。
 そんな彼に朗らかな笑みを向ける幸路の後方から、1台のGチェイサーが接近して来る。そこから飛び降りて来た、幸路の部下らしき警察
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ