第9話 銀狼の目醒め
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のものなのか。いずれにせよ、常軌を逸したタフネスには違いない。しかもその腰には、禍継が装着していたものと同じ「変身ベルト」が顕れている。
「……禍継の野郎が負けた理由も、今なら少し分かるかもな。確かにこりゃあ、ナメては掛かれねぇ連中だ」
「な、なんだと……!?」
「あのベルト、まさか奴は……!」
使うまでもないからと、戦いを楽しむためだけに封印していた「力」。それを改造人間たる自分の中に取り込むことによって発現する、「力」のカクテル。
「……変、身」
その歪な混沌すらも愉しむかのように。蛮児は怪しく嗤い、ベルトのレバーを倒してしまう。そのベルトを起点に広がっていく銀色の閃光は、彼の巨躯を瞬く間に飲み込んでしまうのだった。
「……ッ!」
その輝きの中から現れた仮面の戦士に、イグザード達は息を呑む。仮面ライダーGに酷似しつつも、原型機の赤い部分が銀色に彩られているその姿は、蛮児本人の荒々しさからは想像も付かないほどの煌めきを放っていた。
「んあァ〜……いい具合に『力』が混ざり合ってんなァ。お前ら、あの世で誇っていいぜ? 俺の『変身』を拝めるのは……お前らが最初、なんだからなァ」
そんな「倒すべき仇敵達」の様子を目の当たりにしている、上杉蛮児こと「仮面ライダーギムレット」は。バキバキと拳を鳴らしながら気怠げに首を捻り、完全なる「抹殺」を宣言する。
一見、隙だらけな振る舞いのようにも見えるが。その仮面の大きな複眼は、3人の獲物を鋭く捉えていた――。
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