第9話 銀狼の目醒め
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』から学ぶがいい」
予測を超えるイグザードとオルタの猛攻に、先ほどまでの余裕を失った銀色の怪人は、苛立ちを露わに立ち上がろうとする。その怒りにより生まれた「隙」が、狙い目であった。
エクスブレイガンの銃口からエネルギーネットを発射したオルタは、標的の拘束を確認すると。エネルギーを纏ったブレードを構え、一気に接近していく。
「ぐおあぁあッ!?」
「警部ッ!」
「おうッ!」
やがて、すれ違いざまに放たれた光刃の一閃で、シルバーフィロキセラを斬り付けた瞬間。イグザードもオルタの「レイスラッシュ」に続き、己の必殺技を放とうとしていた。
大きく弧を描いて、真上に振り上げられた蹴り脚が。シルバーフィロキセラの身体を衝き上げ、天高く舞い上げていく。
「おらァッ!」
「ぐうッ!?」
『リミッター1、解除』
その白銀のボディに走る亀裂が、より大きく広がった頃には。墜落して来る怪人を迎え撃つべく、イグザードは最後の「リミッター」を解除していた。
彼がこれまで外してきた枷はまだ、全てではなかったのである。仮面ライダーΛ−Dの「オーバーロード」にも引けを取らない、超高出力状態での「必殺技」。それが、仮面ライダーイグザードの真価なのだ。
「これが真の『全解除』だ……! 遠慮なく味わいなァアッ!」
落下して来たシルバーフィロキセラに炸裂する、渾身の回し蹴り。「イグザードノヴァ」と呼ばれるその一撃は、すでに限界に達していた白銀の生体装甲を、粉々に打ち砕くのだった。
「ぐぉあぁああーッ!?」
銀色の破片を撒き散らしながら激しく転倒し、血だるまの敗残兵と化して行く上杉蛮児。都市迷彩の戦闘服を纏う屈強な大男は、誰の目にも明らかなほどに満身創痍となっていた。
その光景を見届けたイグザードとオルタも、緊張の糸が切れたように片膝を着いている。レイスラッシュとイグザードノヴァの威力に賭けた強襲は、まともに立てなくなるほどの消耗を伴うものだったのである。
「はぁ、はぁッ……!」
「こ、れでッ……!」
それでも、確かな手応えはあった。ギガントインパクトにも一度は耐えたシルバーフィロキセラの生体装甲は、今や完全に打ち砕かれている。鎧のダメージを無視し続けていたことが祟り、上杉蛮児本人も重傷を負っている状態だ。
ギリギリの勝負となったが、辛うじてこちらが競り勝った。この場に居る3人の誰もが、そう信じていたのだが。
「……ハハァッ。やるじゃねぇか、お前ら。今のはちょっとばかし……死ぬかと思ったぜ」
「……!」
ふらつきながらも立ち上がって来た上杉蛮児の姿に、その「甘さ」を思い知らされてしまうのだった。彼は額から滴る鮮血も拭わず、なおも好戦的な笑みを浮かべている。
改造人間故なのか、生来
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