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仮面ライダーAP
第7話 仮面ライダーである前に
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」。ごく僅かな攻撃チャンスのために全てを投げ打つその力は、改造人間すらも叩き伏せるほどの威力を発揮している。
 ニコラシカが「力負け」するほどのパワーで、パンチとキックを矢継ぎ早に放つΛ−D。その猛攻に乗じて再開されたケージとオルバスの連携攻撃も、さらに冴え渡っていた。

「ぐはぁああッ!?」
「鳥海、ウェルフリット……行けえぇッ!」

 やがて、Λ−Dの最後の力を込めた回し蹴りが、ニコラシカを吹き飛ばし。その銅色の装甲に、亀裂を走らせていく。
 それが決まると同時に、エネルギーがついに底を着いてしまったのか。Λ−Dは力無く片膝を付き、息を荒げていた。だが、ニコラシカを倒せる可能性を秘めた「仮面ライダー」は彼だけではない。

「はいッ! ……決めるぞ、忠義ッ!」
「よぉーし……いっちょやっちゃいますか、穹哉さんッ!」

 顔を見合わせ、頷き合ったケージとオルバスが、同時に地を蹴り軽やかに跳び上がる。
 ケージが空中で身体を捻り、飛び蹴りの体勢に入ると同時に――オルバスは滞空しながら上体を翻し、後ろ回し蹴りの体勢へと移行していた。その足裏にある蹄鉄の意匠が、眩い電光を纏う。

「はぁあぁああーッ!」
「でぇえぇえーいッ!」

 ケージの必殺技、「ジャッジメントストライク」。オルバスの必殺技、「FIFTYΦ(フィフティーファイ)ブレイク」。その二つの「ライダーキック」が、唸りを上げてニコラシカに襲い掛かる。

「くッ……スワリングッ! ライダァァアッ! チョォップッ!」

 ニコラシカも彼らの蹴撃を迎え撃つべく、右手の手刀に全エネルギーを集中させ、居合い斬りの如く水平に薙ぎ払ったのだが。その一閃を以てしても、2人のキックを跳ね返すことは出来なかった。

「ぐぉ、あ……あぁあぁあーッ!?」

 あまりの威力に、ニコラシカの手刀が弾かれた瞬間。直撃を受けた彼のベルトが、粉々に砕け散ってしまう。
 スーツを維持する基盤となるベルトが破壊されたことで、武田禍継は強制的に変身を解かれていた。

 仮面ライダーニコラシカの敗北。仮面ライダーケージと、仮面ライダーオルバスの勝利。その瞬間を見届けていたΛ−DとG-verY達は、揃って安堵の息を漏らしている。

 この場にいる、6人の装着者――もとい、仮面ライダー。彼らの死力を以て、今度こそ武田禍継は完全に無力化されたのであった。
 力を使い果たし、もはや戦える状態ではなくなっていた風香は、Λ−Dの変身を解くと。同じく元の姿に戻っていた穹哉や忠義と共に、禍継を取り囲んでいく。

「……今さら、命乞いなどせん。ひと思いに殺るがいい」
「貴様は何か勘違いをしているようだな。俺達は、貴様らを殺しに来たわけではないのだぞ」
「なに……?」

 否応なしに「敗北
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