第7話 仮面ライダーである前に
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シカの前に駆け付けて来る。
ケージとオルバスを庇うような位置に現れたそのバイクには、女子高生と見紛う容姿の美男子が跨っていた。2人の上司に当たる警視庁のエリート、明日凪風香警部補である。
「あ、明日凪警部補……!」
「人類の自由と平和のために戦う希望の闘士……それが『仮面ライダー』だ。その矜持に、改造人間も生身もない」
「ふん……非力な女子のような面構えをしておいて、何を抜かす。仮面ライダーは『力』だ。全てを破壊しうる絶対的な力を指す『概念』なのだよ」
風香が語る「仮面ライダー」という言葉に込められた意味。それを真っ向から否定するニコラシカは、不遜に鼻を鳴らして彼を嘲笑っていた。
だが、風香はそんな彼の態度に怒るどころか、逆に皮肉めいた視線を送っている。
「……さては貴様、『彼ら』を直に見たことがないな? あの背中を一度でも見たことがある者なら、そんな台詞など吐けはしない」
「なんだと……!?」
「だが、知らないというのならそれで良かろう。……ならば今、ここで教えてやる。『仮面ライダー』とは、こういうものだとな!」
彼はその時すでに。手にしていたトランクケースを、強化外骨格へと「変形」させていた。
「変身ッ!」
その叫びと共に、ケース状にされていた外骨格が本来の姿を取り戻し、彼の全身を固めていく。
別世界のライダー「仮面ライダー1型」のロッキングホッパーを想起させる外観だが、装甲は銀色に統一されている。その両眼は、絶えず緑色の輝きを放っていた。胸の装甲に刻まれた、警察の証となる金のエンブレムは神々しい輝きを宿している。
「……このスーツはケージやオルバスよりも、さらに高出力の『大飯食らい』でな。悪いが、早々にケリを付けさせてもらうぞ」
番場惣太の計画から生まれた技術系統の一つである、「Λシリーズ」。その最新作に当たる、「仮面ライダーΛ−D」が、ついにベールを脱いだのだ。
「明日凪警部補……!」
「鳥海、ウェルフリット、さっさと立て。……俺達の手で奴に叩き込むぞ、『仮面ライダー』とは何たるかをなッ!」
「……はいッ!」
彼の変身に鼓舞されたケージとオルバスも、最後の力を振り絞って立ち上がる。Λ−Dも加えた3人掛かりの総攻撃が始まったのは、それから間もなくのことであった。
「ぐぁ、あッ……!? な、なんだこの威力は……! 貴様ら、それで改造人間ではないというのか!?」
「……貴様にとっては不都合だろうが、その通りだよ」
「そう! 知っての通り、俺達は……!」
「ただの、人間だァッ!」
ただでさえ高出力であるΛ−Dの強化システムを、さらに限界以上まで作用させる「オーバーロード
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