第5話 鉄血の砲火
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…!」
「やって、やるさッ!」
その間にようやく立ち上がったティガーとパンツァーが、必殺技の体勢へと移行していく。ブロンズフィロキセラが攻撃に転じる前に決着を付けるべく、G-verYも「全火力」を投入する準備に入っていた。
「はぁあぁあッ!」
両腕の爪をクロスさせて懐に飛び込み、一気に叩き斬る「ティガーチャージ」。四肢の無限軌道を回転させながら助走を付け、水平キックを見舞う「パンツァーストライク」。
斬撃と蹴撃。その双方が同時に決まり、ブロンズフィロキセラは激しく吹っ飛ばされてしまう。
「お、おのれッ……ぐぅおッ!?」
「……これで、とどめです」
さらに、立ち上がる隙も与えず。G-verYは2丁のケルベロスを連射し、ブロンズフィロキセラの装甲を削り取って行く。それと並行して、遠隔操作でGチェイサーを操っていた彼女は、車体に搭載されている2基8門のギガント改を敵方に向けていた。
その弾頭の群れが飛び出す直前、ケルベロスをロケット弾を発射する「GXランチャー」に変形させた彼女は、ミサイルにロケット弾をぶつけるかのように同時発射する。
「うぐわぁあぁあーッ!?」
ミサイル8発、ロケット弾2発。その絶大な火力を一斉に解き放つことで噴き上がった爆炎は、ブロンズフィロキセラの絶叫すら飲み込んでいた。
「曼珠沙華」と呼ばれる、G-verY最大最強の砲火。その威力はブロンズフィロキセラの変身すら解除させるほどの威力だったらしく、猛煙の中からは武田禍継の姿が現れている。
「がはッ! はぁ、はぁっ……!」
「清音、あいつまだ……!」
「大丈夫です、迅虎。……我々も全火力を使い果たしてしまいましたが、あなたもすでに戦闘を続行出来る状態ではないでしょう。人間らしく、降伏なさい」
「これ以上の争いなんて、こっちだって御免なんだからさ……!」
都市迷彩の戦闘服を纏う、ノバシェードの幹部。指名手配書通りの顔を持つその男は、息を荒げて膝を付いている。
そんな彼に降伏を勧告するG-verY達も、先ほどの一斉攻撃ですでに消耗し切っていた。1人の死者も出さずに決着を付けるには、このタイミングしかない。
それが彼女達の判断、だったのだが。
「……ふっ、くくく。まさかただの人間如きに、ここまで追い詰められるとは思わなかったぞ。確かに俺は、実に哀れな存在だったのかも知れんな」
「何が……可笑しいのですか」
「認めてやると言ってるのだよ。貴様らは人間としては、あまりにも強い。そして俺は改造人間として、あまりにも弱い」
禍継は満身創痍の身でありながら、薄ら笑いを浮かべてなおも立ち上がっていた。その眼にはまだ、諦めの色がない。
「人間共の真似をしているようで癪に障るからと
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