第4話 もう、あの時とは違う
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るがされたブロンズフィロキセラの憤怒は、それすらも上回っていた。
ティガーの爪を絡め取り、動けない状態で腹部に強烈な蹴りを入れた彼は、ティガーの身体を勢い良く放り投げてしまう。咄嗟にスマッシャーを捨てて受け止めに行ったパンツァーも、巻き添えにされる形で吹き飛ばされていた。
「ただの人間に何が出来るかッ! 改造人間とは生身の限界を超越せし『力』の象徴! 単なる強化外骨格で、どうにか出来る程度であってたまるかァッ!」
それまでの冷静さを失い、声を荒げているブロンズフィロキセラの言葉は、まるで自分に言い聞かせているかのようであった。
劣悪な改造人間にされ、何一つ救われないまま悪に堕ちるしかなかった同胞達。その死に様を目にする度に、改造人間であることへのアイデンティティを拠り所として、彼は立ち上がって来たのだ。それ故に、自身の境遇を真正面から認めるわけにはいかなかったのである。
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