第4話 もう、あの時とは違う
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テム「キャノンライドボール」をセットされた変身ベルト「パンツァードライバー」も、流暢な英語音声を発していた。その音声に合わせて叫ぶ紗月の全身が、迅虎と同時に強化外骨格に覆われていく。
やがて完成したのは、生身の人間が装甲を纏うことによって誕生する、新世代の仮面ライダー。
道導迅虎が変身する「仮面ライダーティガー」と、翆玲紗月が変身する「仮面ライダーパンツァー」であった。
「さぁ……私のスピードに、付いて来れるかなッ!?」
ティガーの外観は別世界の仮面ライダー……「仮面ライダー1号」のようにシンプルなものであるが、両腕にはそれぞれ1本の長い爪のような刃が装備されている。
その独特なスタートダッシュのポーズは、ハンミョウを彷彿とさせていた。
「3年前とは違うってこと……教えてやるッ!」
パンツァーのベースデザインも、別世界のライダーである「仮面ライダードライブ」の「タイプワイルド」に近い。その両肩と肘、腿、足首の起動輪とその間の転輪には履帯が巻かれており、ボディはカーキ色で統一されている。
眉間からは戦車の主砲をモチーフとするアンテナが1本伸びていて、複眼部分は戦車の前照灯がモチーフになっていた。絶え間なく引き金を引いているその手には、「パンツァースマッシャー」と呼ばれるレバーアクション式のランチャーが握られている。
「ぬぅッ!?」
「いつまでも人間を舐めてると、足元掬われちまうぜ?」
「さっさと投降しないと、火傷じゃ済まなくなっちまうよッ!」
一瞬にして懐に飛び込み、爪による斬撃の嵐を見舞うティガー。パンツァースマッシャーから連射される、小型ミサイルの嵐。
その両方が同時に襲い掛かり、ブロンズフィロキセラは咄嗟に触手での「防御」に転じてしまう。生身の人間相手に、改造人間が守りに入る。これは、前代未聞の珍事であった。
(そうだ……! あの時の私達とは、もう違う! 非力だった、私達とはッ!)
(一握りのヒーローだけに、全てを委ねはしない……! 「仮面ライダー」を、都合の良い神様になんてさせないッ!)
3年前、仮面ライダーAPと仮面ライダー羽々斬の最終決戦が繰り広げられていた時も。仮面ライダーアグレッサーの暴走により、一度は東京が壊滅した時も。
ただの警察官と自衛官でしかなかった迅虎と紗月は、何も出来なかった。仮面ライダーAPが運命に争う姿を、遥か遠くから見ていることしか出来なかった。
もう、あの時とは違う。
そんな2人の声なき叫びが、ブロンズフィロキセラを圧倒している攻撃の激しさに現れていた。
「調子に……乗るなァッ!」
「あうッ!?」
「迅虎ッ! ……ぐうッ!」
だが。「絶対的な白兵戦能力」という改造人間としてのアイデンティティを揺
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